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平成22年 3月予算特別委員会(平成21年度)-03月05日-01号

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  1. 栃木県議会 2010-03-05
    平成22年 3月予算特別委員会(平成21年度)-03月05日-01号


    取得元: 栃木県議会公式サイト
    最終取得日: 2022-12-22
    平成22年 3月予算特別委員会(平成21年度)-03月05日-01号平成22年 3月予算特別委員会(平成21年度)      予算特別委員会総括質疑 1 開会日時  平成22年3月5日(金)午前10時00分~午後3時19分 2 場所  議事堂大会議室 3 委員氏名         委員長    渡 辺   渡         副委員長   斉 藤 具 秀         副委員長   渡 辺 直 治         委 員    保 母 欽一郎                金 子   裕                佐 藤   良                山 形 修 治                松 井 正 一                阿 部 寿 一                山 口 恒 夫                岩 崎   信
                   櫛 淵 忠 男                小 林 幹 夫                星   一 男                中 川 幹 雄                花 塚 隆 志                早 川 尚 秀                増 渕 三津男                山 田 美也子                島 田 文 男                螺 良 昭 人                野 田 尚 吾                髙 橋 文 吉                梶   克 之                増 渕 賢 一 4 栃木県議会委員会条例第18条に基づき出席を求めた者の職氏名    知事             福 田 富 一    副知事            須 藤 揮一郎    副知事            麻 生 利 正    総合政策部長         高 橋 正 英    経営管理部長         鈴 木 誠 一    県民生活部長         荒 川   勉    環境森林部長         三 浦 義 和    保健福祉部長         北 澤   潤    産業労働観光部長       野 口   明    農政部長           高 斎 吉 明    県土整備部長         池 田   猛    会計管理者会計局長      小 暮 義 雄    企業局長           栗 山 正 道    総合政策部次長総合政策課長 村 上 順 男    財政課長           後 藤 友 宏    教育長            須 藤   稔    代表監査委員         田 崎 昌 芳    人事委員会事務局長      我 妻 貞 雄    労働委員会事務局長      湯 沢 敏 次    警察本部長          石 川 正一郎 5 会議に付した事件 (1)付託議案等に関する総括質疑           ────────────────────                  午前10時00分開会 ○渡辺渡 委員長 ただいまから予算特別委員会を開きます。  本日の会議録署名委員に、花塚隆志委員山田美也子委員を指名いたします。  ご了承願います。  それでは、これより議事に入ります。  本委員会に付託されております第1号議案から第19号議案まで、第21号議案から第25号議案まで、第29号議案、第39号議案及び第41号議案から第51号議案までを一括して議題とし、総括質疑並びに予算関連の喫緊の県政課題について質問を行います。  それでは、発言通告者に対し発言を許可いたします。  小林幹夫委員。 ◆小林幹夫 委員 おはようございます。  本日は予算特別委員会総括質疑の最後の日に当たるわけであります。私は自由民主党議員会の小林でございます。本日はきのうに引き続き多くの議員が登壇するわけでありますが、我が自由民主党議員クラブのエース級、真打ちが続々と登場するわけであり、私は前座、一番バッターとしてその職責を果たすべく質問をしてまいりたいと思っております。  現下の厳しい経済情勢の中で、県は最大限の景気対策を本年度の予算に反映していると私は思います。民主党政権も主要な政策の中で景気対策、とりわけ雇用問題に対しては重要な政策として位置づけをしていると聞いておりますが、そのことを踏まえて質問に入りたいと思います。  地域職業訓練センターについてお伺いいたしたいと思います。  独立行政法人雇用能力開発機構の廃止・統合を前提とした業務見直しの結果、全国に83カ所ある地域職業訓練センターが平成22年度末で廃止され、その施設を地方自治体等に譲渡する旨の通知が昨年の12月に厚生労働省から各都道府県になされたとのことであります。これはいわゆる政府の事業仕分けの結果を受けたものでありますが、地域職業訓練センターは地域住民に対し多種多様な教育訓練を実施し、地域における教育振興を図ることを目的とした施設として設置されているものであり、そういった職業訓練の基幹的な施設の廃止を国から一方的に通知され、本県にある鹿沼市と大田原市の2つのセンターの関係者は大きな衝撃を受けております。センターは設置者である雇用・能力開発機構が各都道府県に対して運営委託し、それから各市町村の職業訓練法人に対して再委託をして運営しているものであり、これを国の勝手な都合で地方自治体に有償で買い取らせること自体、地域を無視したものと言わざるを得ません。  そもそも現民主党政権は、マニフェストの中で雇用対策を掲げたことにより多くの国民の支持を受け誕生したはずであります。しかし、いざ事業仕分けが始まるや否や、このように職業訓練の基幹的施設をいとも簡単に切り捨てるという言行不一致の行動に出たわけであり、このことは全く理解できません。今議会初日、知事は平成22年度の政策経営基本方針の重点施策の第一番目に経済雇用対策を取り上げ、本県の次の世代を担う人づくりを強調されておりましたが、このような場がなくなることは県政にとって非常に大きな痛手となるものであります。また、多くのセンターは各種の技能検定試験の会場として利用されていることもあり、またパソコンの講習会や、地域住民に対してはフラワーアレンジメントなどの住民講座、さらには地域のイベントなど、地域に根差した施設として親しまれているわけでありまして、こうした施設を地域の声も聞かずに一方的に廃止することは、今のこの地方分権の時代にまさに逆行するものであります。  いずれにいたしましても、私は地域職業訓練センターの施設を無償で地方自治体に譲渡すべきであると考えております。そこで、県では今回の廃止についてどのように考え、どのように対応していくのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 地域職業訓練センターにつきましては、いわゆる独立行政法人の見直しに伴いまして、利用率が基準に満たない施設は廃止し、地方自治体に移管することとされておりましたが、本県では鹿沼、大田原の両センターともに運営努力を重ねた結果、基準を満たす利用が確保されていたところでございます。しかしながら、今般基準を満たしたセンターも含めてすべてのセンターについて平成22年度末をもって廃止し、希望する自治体等に譲渡する旨の通知がありました。  これを受けて鹿沼、大田原両市と今後の対応について協議いたしました結果、従来からの国の役割を踏まえて譲渡価格については無償とすべきであるという点で一致いたしまして、さる2月16日に関係市とともに厚生労働省にその旨を強く要望してきたところでございます。厚生労働省では自治体が受け入れやすい条件にできるよう財務省と協議中であるという説明でありましたが、学生募集などの関係もありますことから、要望内容に沿ってできるだけ早期に方針決定をするようあわせて要望してきたところでございます。今後とも地元関係市と連携いたしまして、無償譲渡に向けて国に対して働きかけてまいります。 ○渡辺渡 委員長 小林委員。 ◆小林幹夫 委員 部長から答弁があったわけでありますが、本当に今まさに厳しい経済状況下で、昨日も委員の質問の中にありましたように有効求人倍率が0.41、失業者数は15カ月連続で増加、全国で323万人もいる。ですから、雇用のために何としてもこの施設は必要なわけなのです。しかし、国は昨年12月25日に本当にこの紙一枚で、職業能力開発局長名で知事に対して、取り扱いはこうしなさいという一枚で通達をしてきたわけであります。私はいまだにこのセンターをなくすということが信じられないのです。部長、本当に国の方針はなくすということなのですか。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 経過につきましては先ほど答弁で申し上げたとおりでございますが、国の方針につきましては、ただいま委員からご紹介がありましたように12月25日に職業能力開発局長から知事あての通知が来ております。内容といたしましては、独立行政法人をとりまく環境が厳しさを増して、業務のスリム化、予算の縮小を求められているということで、平成22年度末をもって廃止して、建物の譲渡を希望する自治体についてはこれを譲渡するということでございます。譲渡条件については追って雇用・能力開発機構に通知をするという内容でございます。この方針には変わりがないと聞いております。 ○渡辺渡 委員長 小林委員。 ◆小林幹夫 委員 部長に確認をしても、間違いなくこの地域職業訓練センター、鹿沼市にある施設と大田原市にある施設を廃止するというわけであります。特に鹿沼市の職業訓センターは実績が多分全国でいつも5指に入る、あるいは3指に入るぐらい、非常にセンターの機能を果たしてきた施設でもありまして、地域住民にとってそのショックたるや非常に大きなものがあります。  国は、先ほど申し上げましたように、今この厳しい情勢下で何としても再雇用をしなければいけない。そのためには職業訓練センター等で技術や資格を身につけていただいて雇用の促進を図ると言っておきながら、箱を、要するにその現場をなくすということであります。幾ら国がエコロジーを推進しているからといって、ひょっとすると、箱物はなくて青空教室でも、きょうみたいに天気のいい日は青空教室でもやってなんていう話かなと、まさかそこまでエコロジーを推進しているんじゃないかと私は考えたくありませんが、本当にこのままでは、事業は続けなさいという、県からも事業を続けてくださいといわれる。だけど建物はありませんでは青空教室でやるしかないかなと、それでは余りにもひどい話でありまして、何としてもこの建物を生かして事業の継続をしなければいけないわけであります。  しからば、国から地方自治体にこの建物を譲渡するということなのですが、この地方自治体というのはどこを指すのか。部長、そのことをお聞きしたいと思うのです。地方自治体というのは県なのか市なのか。そして一応無償譲渡という話でありますが、情報によりますと時価での売買という話もあります。時価というのは県が考えている金額もある程度あると思うので、それも教えていただきたいのです。もし時価で売買するとなると、大体の金額で結構ですからどのぐらいになるのかお教えいただきたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 自治体につきましては、県と当該鹿沼・大田原両市が入るということで県も含まれると考えております。  それから価格の決定方法でございますが、従来の取り扱いの例を見てみますと、雇用・能力開発機構が財産を売却する場合は厚生労働省と財務省の承認を受けます。売却価格については民間業者2社の鑑定評価額の平均額を参考にした市場価格だと伺っております。  今回の場合は、国の通知にありましたように国の事情による廃止ということで、具体的な価格の決定方法について協議中ということで聞いております。ということで、今回の地域職業訓練センターの売却価格の算定について想定は困難でありますが、引き続き無償譲渡あるいは減額等について国に働きかけてまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 小林委員。 ◆小林幹夫 委員 今、部長から、その譲渡先は県・市が含まれるという話であります。これと類似した職業訓練センターは県内に今7つあると聞いております。ですから、これを契機にこの7つある職業訓練センターを統合するというのも、これは一つの契機かなということも考えられますが、それはそれとして、やはり現在の価格で、私は類似例を調べますと大体2,000万円ぐらいで譲渡されたという先例を聞きました。鹿沼市の佐藤市長に聞きましたら、「今は経済状況が厳しくてとてもそのような取得をするお金がない。できれば県に買ってほしいのだが」とのことです。私もその話は聞いたのですが、昨日来県の財政状況も非常に厳しいということでありますから、何としても県に強烈に厚生労働省に働きかけをしていただいて、この建物を大田原市と鹿沼市に無償で譲渡するように強くお願いをしたいと思います。  そして心配なことがあるのです。鹿沼市の地域職業訓練センターに行きまして横塚校長に話を聞いて、鹿沼市の職業訓練センターはことしはどうなるのでしょうという話を聞きました。そうしたら、本年度は生徒募集ができませんという回答が返ってきたのです。先の見通しが全く立たない。今この状況下ではやはり一人でも多く職業訓練をして資格を身につけさせて再就職、再雇用ができるように私たちも一生懸命協力をしたいのだけれど、この情勢ではなかなか先が読めない。もし万が一生徒募集をしておきながら学校がなくなってしまいましたということでは余りにも無責任だということで、今の状態では生徒募集ができないということであります。そんなことが起きたら大変なことですから、どうでしょう、部長、県からもいろいろご指導をいただいて、ことしも昨年と同様に生徒募集ができるように、ぜひ指導、協力のほどお願いをしたいと思います。  最後に要望という形でこの件について締めさせていただきます。昨年度の鹿沼市の職業訓練センターの利用者数は職業訓練で約4,900名、延べ6万1,000名が利用いたしました。そして大田原市の職業訓練センターの利用数は事業研修で利用者が約4,100名、延べ3万1,000名となっていて、いかに地域の職業訓練に貢献しているかということは数字が証明しているわけです。こうしたセンターが全国に83カ所もあるわけですから、センターの利用者総数は相当な数になっているはずであります。現在のこのような厳しい経済情勢からすれば、その有用性、必要性はだれが見ても明らかなことから、国においては机上でものを考えるのではなく、ぜひ地方の実情を踏まえた賢明な対応を私は切に願うものであります。センターは国の施設であることは十分理解しておりますが、県においても関係する市町村の意向を踏まえた対応をぜひお願いして、次の質問に移りたいと思います。  次に、観光物産拠点の設置についてお伺いいたします。  私はさきの県議会一般質問において、東京におけるアンテナショップの設置について質問をして、知事から東京スカイツリーが最有力であるという大変前向きな答弁をいただいたところであります。今回は県内に目を向けまして、県内版アンテナショップというべき観光物産拠点の設置についてお伺いしたいと思います。  先日、観光物産の拠点として、本県の中に「おいでよ!とちぎ館」が4月に設置されるとの発表がなされました。この施設は県内各地の多彩な特産品の販売や県内の観光情報発信の拠点となるものであり、まさに知事の目指している有名有力県の実現に向け時宜を得たものと考えております。  この施設の運営主体は、昨年10月に県観光協会県産品振興協会が統合して設立された県観光物産協会であります。両協会の持つ機能を融合し組織が充実されたことを十分に生かした観光情報の発信や県産品のブランド化、さらには販売促進が一体的に進められるものと大きな期待をしているわけであります。物産と観光の両面で本県のブランド戦略を担う「おいでよ!とちぎ館」は、県議会に本年設置されました県出資法人あり方検討会が、県と関係の深い32の法人を対象にそのあり方を精力的に検討した結果がまさに反映されており、それぞれの協会の強みを生かした相乗効果が早速実現されるものではないかと、県議会としても大変注目しているわけであります。  また、せっかくこのような拠点を開設するのであれば、単に農産物や工芸品を陳列し販売するだけではなく、昨日の質問でも出ておりますがフードバレー構想やとちぎ食の回廊づくりなどとリンクした取り組みも考慮した、広がりのあるものとしなければならないと私は考えております。  つきましては、この「おいでよ!とちぎ館」の設置について、県の考え方及び今後の具体的な進め方について、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 「おいでよ!とちぎ館」は、県民はもとよりビジネスユースなど県外からの来訪者にも、本県のすぐれた観光資源や多彩な県産品の魅力を発信するための拠点となるものであります。館内には、県内各地の観光スポットや観光ルートを紹介いたします観光情報コーナー、それから各市町村の観光キャンペーンなどを行う交流スペース、県産品の展示販売コーナーが設置されまして、観光振興や県産品の販路拡張を一体的に推進していく計画となっております。  県といたしましても、当館のアンテナショップ機能を活用することにより、とちぎ食の回廊づくりの情報発信や農商工連携により生まれました新商品の販路開拓など、県が推進するブランド化のための施策について成果を上げてまいる考えであります。そこで四季折々の観光キャンペーンや、各市町村の地域ブランド商品などの特設展示販売、さらには生産者とバイヤーとのビジネスマッチングなど、各種イベントの企画運営に積極的に参画あるいは支援することによって県の施策の実現に向けて取り組んでまいります。 ○渡辺渡 委員長 小林委員。 ◆小林幹夫 委員 県版のアンテナショップができるということであります。  知事は次期総合計画の重点項目に観光立県への挑戦という形で、この観光立県に対して非常に強い意欲を示され、それが東京におけるアンテナショップ、そして栃木県内版のアンテナショップということで、観光に非常に力を入れるということは十分理解ができます。そして、我が栃木県は観光資源においては本当に全国有数の宝庫であるということは皆さん理解していると思うのです。ただ、それを生かしきっていないというのが現状だと私は思います。だから無名有力県なのだということなのです。なぜ無名有力県かといえば、結果的に県名と観光地が一致していないということだと思いますから、ぜひこの東京と栃木県内版のアンテナショップを上手にリンクさせていただいて、ぜひ観光の充実を図っていただきたいと願うわけであります。  ただ、もう県内には至るところに農産物直売所等も設置されております。私は県民もそういう地場の農産物とかそういったものには期待をしてないと思うのです。先ほど部長の答弁にありましたように、今度できる県版のアンテナショップというのは、そういう農産物の直売所ではありませんよ、土産物の直売所でもありませんよ、まして旅館の紹介所でありませんよ。要するにそのランクを上げ、すばらしい県の観光資源を生かす、県内の拠点として運営ができるようによろしくお願いしたいと思います。観光開発こそが地域振興の起爆剤でありますから、この観光開発が今後いかに伸びるかが栃木県の成長に大きくつながってくると思います。  最後になりますが、国は2002年12月6日に観光カリスマという方を11名指名して、現在は観光カリスマ百選といいまして100人の方が全国に観光カリスマとしておいでになります。栃木県は残念なことに1名しかおりませんが、群馬県は3名、福島県は4名おります。栃木県は茂木町の石河智舒さんという方が「ゆずの里かおり村」という組織を立ち上げて会長に就任されて、その地域の観光カリスマとして地域の発展に大きく寄与されて、関東運輸局が主催する講座の塾長まで務められたそうであります。観光カリスマという言葉が意外と知れ渡っておりませんが、そういう一つの例があるわけですから、一人でも多くそのような観光カリスマ的な方が県内各地に出てこられて、人の力、事業は人なり、人の能力は無限だということでありますから、県版の観光カリスマを育て上げていただいて、県内各地の観光資源をいかに盛り上げていくかということもぜひ考えていただきたいと思います。  観光資源、特に外国から観光客を多く誘致することは外貨の獲得にもつながることでありますから、栃木県は今非常につらい局面にありますが、一つの活路として観光開発というものを県全体で考えていただければ、栃木県の発展に寄与するのではないかという意味で質問をさせていただきました。以上で私の質問を終わります。 ○渡辺渡 委員長 以上で小林幹夫委員の質疑は終了いたしました。  続いて、発言通告者に対し発言を許可いたします。  松井正一委員。 ◆松井正一 委員 民主党・無所属クラブの松井正一です。小林委員に続いて鹿沼市、鹿沼市と続きますが、よろしくお願いしたいと思います。  それでは、通告順に従いまして早速質疑に入らせていただきます。  栃木の環境政策に関する予算についてお尋ねいたします。  鳩山新政権はチャレンジ25と題して2020年までに対1990年比25%の温室効果ガス排出量削減を目標に掲げまして、社会全体の取り組みを強化、推進することとしています。地球温暖化問題はまさに世界共通、人類が英知を結集して取り組むべき喫緊の課題と言えます。  一方、県は昨年とちぎ環境立県戦略を策定し、地球温暖化防止を初め環境政策の推進を図ることとしています。また、新年度をとちぎ環境立県元年と位置づけ、さまざまなリーディングプロジェクトを推進し、所期の目的達成に向けた取り組みを始動いたしました。さらに新年度予算では地球温暖化対策費を計上し、平成23年度を初年度とする地球温暖化対策実行計画を策定することとしておりますが、チャレンジ25やとちぎ環境立県戦略を踏まえ、どのように計画を策定していくのか、環境森林部長に伺います。 ○渡辺渡 委員長 三浦環境森林部長。 ◎三浦 環境森林部長 県におきましては、これまで栃木県地球温暖化対策地域推進計画に基づきまして温暖化対策を推進してきたところであります。さらに昨年11月には地球温暖化対策に貢献していくための今後の道筋を示すとちぎ環境立県戦略を策定したところであります。  新年度に策定する栃木県地球温暖化対策実行計画は、平成23年度を初年度とする5カ年計画といたしまして、京都議定書や2020年(平成32年)における国の中期目標の議論等も踏まえて新たな削減目標を示しますとともに、家庭部門、業務、産業部門等各部門別の温室効果ガス排出削減対策CO2吸収源対策などを示してまいります。また、これまで個別に策定しておりました栃木県地域新エネルギービジョン栃木県庁環境保全率先実行計画についても計画に盛り込みまして、一体的に推進してまいりたいと考えております。  さらにはとちぎ環境立県戦略リーディングプロジェクトはもとより、今後の国の施策につきましても可能な限り計画に反映させ、市町村も含め県民総ぐるみ温暖化対策を推進できるような計画としてまいりたいと考えております。
    ○渡辺渡 委員長 松井委員。 ◆松井正一 委員 答弁をいただきました。1点再質問させていただきます。  今、部長の答弁にもありました環境立県戦略、これは大変よくできていると私は評価をさせていただいております。戦略の中では、戦略の目指す社会ということを掲げまして、10年後のエコとちぎのイメージを分野ごとにわかりやすく解説しております。国のチャレンジ25の実現のためには、こうしたわかりやすい啓発が大切だと私は思っております。今のご答弁の中でも、この実行計画の中では家庭、業務、産業分野別に具体的な目標を掲げていくということでありましたが、その実行計画の推進に当たっては、県民の皆様に対する啓発、または協働行動に対してわかりやすい提言が必要だと思います。その点については、現時点でどのようにお考えになっているかご答弁願います。 ○渡辺渡 委員長 三浦環境森林部長。 ◎三浦 環境森林部長 計画が実効性を持っていくためには、その趣旨が県民一人一人の方々に十分周知されていくことが必要だと思っております。そういった点も踏まえて、この計画の中では市町村等も基礎的な実施体を通して実施する、そのほかに直接県民の方々にいろいろな取り組みをしていただくようなことも含めまして、全体としてわかりやすいものにしていきたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 松井委員。 ◆松井正一 委員 よくわかりました。1点だけ要望させていただきたいと存じます。  ぜひともこのチャレンジ25、また環境立県戦略の10年後の目指す社会の構築を連動させていただきまして、実効あるリーディングプロジェクトを推進してほしいと思っているところであります。私なりの提案で恐縮でありますが、願わくは、本県の経済活性化などともリンクさせまして実効ある政策を進めてもらいたいと思います。  そこで、身近なところで一つ提案があるのですが、電気自動車。本県においても公用車として導入が図られましたが、ある意味、走っている電気自動車そのものも広告塔の一つなのかと思います。そういう意味ではカラーリングがちょっと地味かなということとともに、あれ自体を宣伝広告車的な感覚にしていったらどうかと思っておりますので、ぜひご一考いただければとお願い申し上げまして、次の質問に入らせていただきたいと思います。  続きまして、米の戸別所得補償制度を推進するための予算についてお尋ねいたします。  現在、国の新年度予算におきまして米の戸別所得補償モデル事業3,371億円及び水田利活用自給力向上事業2,167億円等を計上いたしまして、水田耕作の充実並びに食料自給率の向上を図ろうとしております。  このような中、県は新年度予算におきまして、米政策改革推進事業費や、水田農業構造改革推進事業費、さらに飼料自給率向上対策推進事業費などを計上されまして、地域の特色を踏まえたビジネスモデルのあり方を創造するなど、米の戸別所得補償制度の導入を踏まえた環境整備を予定されております。  しかしながら、米生産者などからは、利活用自給力向上事業における米粉用や飼料用米の流通・加工体制を不安視する意見や、米粉の消費需要の安定に向けた取り組みを強化すべきであるといった要望などが寄せられました。こういったことを受けまして、私は生産、加工、消費、そして生産といった循環型のシステム形成が不可欠であるということを考えました。このような課題を踏まえて今後国の米モデル事業を推進するためには、米粉用米や飼料用米、いわゆる新規需要米の取り組みが重要になってくると考えますが、県はどう取り組んでいくのか、農政部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 高斎農政部長。 ◎高斎 農政部長 新規需要米は、稲作でも生産調整に取り組めることから、県内において作付が増加しております。まず、米粉用米でございますが、JA全農とちぎが県内に立地いたします製粉業者2社への供給を開始したことから、平成21年産は前年のゼロから153ヘクタールの作付となりました。県では、今後の生産拡大を踏まえ、この製粉業者2社の米粉加工施設の整備に対して国の交付金を活用して支援をしているところでございます。また、米粉の一層の需要拡大を図るために、県内の学校給食における米粉パンの利用促進を図るとともに、国に対して全国的な米粉の消費拡大の取り組みを要請しているところでございます。  一方、飼料用米につきましては、平成20年産の55ヘクタールから平成21年産は414ヘクタールに作付が拡大しております。これにつきましては、今後とも配合飼料の原料として確実な需要が見込めることから、引き続き生産拡大を図ってまいります。 ○渡辺渡 委員長 松井委員。 ◆松井正一 委員 答弁をいただきました。1点再質問させていただきます。  今もお話がありましたように、さまざまな業者に対する支援、さらには作付面積の拡大に向けた細かな取り組みをしていただきまして、この件については感謝を申し上げたいと思っているところであります。  私からは幾つかの声を例示して質問したわけでありますが、まさにこれからの取り組みにおきましても、水田農業推進協議会といった団体の方々との協議会を媒体とした具体的な取り組みは重要かと思っているところであります。当然この具体的な制度を進めるに当たっては既にいろいろな意見があったかとも思いますし、今後新年度のこういったさまざまな予算執行を受けて、また新たに課題や処理すべき具体的なものが出てくると思いますが、その改善のための対策もまた考えていかなければならないと思っております。そうした意味では、県の水田農業推進協議会といった団体との連携は不可欠かと思っておりますが、現時点でどのように連携をしていく考えなのか。改めて農政部長にお伺いしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 高斎農政部長。 ◎高斎 農政部長 水田農業の推進のためには、これまでも県あるいは農業団体や県及び市町村の水田農業推進協議会などと、密接な連携をとりながら推進をしてきたところでございます。今回、国の制度が変わったわけでございますが、今申し上げました県・市町村・農業団体あるいは県・市町村の水田推進協議会といった、その推進のための大もとのところは、その役割は今後もほとんど変わりませんので、これまで以上に連携を密にして今回の対策の推進を図ってまいるつもりでございます。 ○渡辺渡 委員長 松井委員。 ◆松井正一 委員 ありがとうございました。  水田利活用自給力向上事業につきましては、過日公表された指標に基づいて、例えば麦への加算措置、その他作物への単価設定、激変緩和調整枠による地域の事情を反映した加算措置が決定されております。県の水田農業構造改革推進事業費の執行の中で、ぜひとも本県にふさわしいモデルの構築と、水田耕作における二毛作対策での所得安定策、こういった方向にぜひ導いていただけますよう強く要望いたしたいと思います。  続きまして、次の質問に入らせていただきます。  高校生に関する予算につきまして、大きく2点お伺いいたします。  まず、1点目であります。高校実質無償化への対応についてお尋ねいたします。  本年4月からの高校実質無償化の実施に向けて国において法整備や予算審議が進められておりますが、その恩恵は当然本県の高校生も受けることとなります。その制度概要は公立高校の無償化と私立高校等の就学支援金の支給でありますが、該当する家庭にとっては家計負担が相当軽減され、また公立学校の現場では授業料の滞納が発生しなくなるなど、実務的な負担も軽減されると思います。  そこで、本県においても国の法整備や予算審議の動向を踏まえてスムーズな制度導入を図るべきと考えますが、公立高校の無償化実施に向けた現在の取り組み状況を教育長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 須藤教育長。 ◎須藤 教育長 公立高等学校授業料の無償化については、現在国会において授業料不徴収等に係る法律が審議中でありますことから、その動向を注視し、栃木県立学校の授業料等に関する条例や関連する諸規程の改正について、その時期を現在見きわめているところでございます。  また、学校現場におきましても、在校生及び新入生への制度の案内や導入後に必要となる事務への対応など必要な準備を進められるよう、国からの情報や県における検討状況などをできる限り学校へ情報提供し、周知に努めてまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 松井委員。 ◆松井正一 委員 答弁いただきました。よくわかりました。  国がまだ最中ということもありますから、今の教育長の答弁のとおりだと思いますが、今回初めての導入ということもありまして、いろいろとお手間をかける部分はあると思いますが、子供たちのために、現場のために、その点はお願いしたいと思っております。  1点、経営管理部長に再質問させていただきたいと思います。  質問でも触れましたが、私学に関しても就学支援金ということで私が触れたとおりであります。また、この件についてはいろいろ関心が高く、我が会派の保母議員からも本会議において質問がありました。  ここでお尋ねしたいのは、まず私学の就学支援金の取り組み状況はどうなのか。また、新年度予算を拝見いたしましたところ、私立学校助成費において授業料減免補助金が計上されておりますが、予算額が前年度当初と比較しまして4,900万円程度減額となっています。これは私自身の考えでありますが、本年度の9月に増額補正をしている現状、または生活保護世帯が増加傾向にあるという昨今の報道から見ても、この減額は大変心配をしているところでありますが、この点2つについて見解をお願いいたします。 ○渡辺渡 委員長 鈴木経営管理部長。 ◎鈴木 経営管理部長 私立高校の授業料減免の対象者関係でありますが、近年の社会経済情勢を反映して、なかなか授業料の負担が大変だという生徒さんもふえているということであります。そうしたことで、平成21年度当初予算では366人対象としておりましたが、今度の平成22年度当初予算では504人分ということで増加して措置を考えているところでございます。  それと、授業料減免補助金の総額が減った理由ということでありますが、今回ご指摘のありました国の新たな施策として私立高校への高等学校就学支援金が導入されたことにより、減免補助対象となる授業料の分が減ったということでございます。 ○渡辺渡 委員長 松井委員。 ◆松井正一 委員 ありがとうございました。  再度お尋ねしたいと思います。  今おっしゃったようなことについては理解できたのですが、一つは、この平成21年度当初予算と平成22年度当初予算で比較しても措置する人数がふえているという現状は今の答弁のとおりであります。全国的に厳しい財政状況は否めません。国の三位一体の改革の影響などもありまして、どの県も本県と同様に財政健全化に向けた取り組みを余儀なくされている現状でございます。  そうした状況下におきましても、多くの県では、生活困窮世帯を含め、もうワンランク上の収入層の方々に対する支援制度も含めて、新年度から新たにスタートする動きが何県か見られております。財源は確かに地方交付税の中の基準財政需要額の中に具体的な単価の計算の中で当てはめているということも調査では明らかになりましたし、それは地方交付税交付金の制度運用上のルールからすれば、当然一般財源の中でいかなる運用がされても問題はないと私は思っておりますが、しかしながら、この他県の動きを見ますと、それだけ厳しい状況にもかかわらず、就学支援金の導入に伴ってその加算措置、上乗せ、そうした動きがあるということは、この就学支援金の運用に際して国から何らかの通達等が出ているのではないかと私なりに考えました。何か通達等が出ているのかどうか、またもし出ていればどんな内容だったのか、その点を詳しくご説明願います。 ○渡辺渡 委員長 鈴木経営管理部長。 ◎鈴木 経営管理部長 国の財源関係、地方財政関係、交付税等の説明の中では財源措置の変更の話はございましたが、具体的な指示はなかったと聞いております。特にこれらについて文書による通達等はないということでございます。 ○渡辺渡 委員長 松井委員。 ◆松井正一 委員 もう一度お尋ねしたいと思います。今度は知事に政策的な考え方という意味でお尋ねしたいと思います。  我々も含めて、昨年からとちぎ未来開拓プログラムの論議がございまして、厳しい財政事情の中で、スクラップ・アンド・ビルドということでいろいろな議論がありました。私も昨年9月の県議会の質問におきまして提言をした経過もございます。今回のこの私学については、恐らく予算措置の中では、新年度予算で額は減ったとしましても、本年度同様のレベルまでは包括しているのだとは思っておりますが、考え方として、全国的に他県においてそうした上乗せ等の動きがあることについて知事はどのようにお考えになられるか、ご答弁を願いたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 私立高等学校の運営費補助金の県単上乗せ分、あるいは私学教職員共済補助金などにつきまして、地方交付税措置分に加えて県単で予算措置をしているものがあります。それらの事業をあわせて考えますと、私学関係経費に充当する一般財源の合計は交付税措置額を上回るものでございまして、直接的または間接的に私立高校生の教育費負担の軽減に寄与しているものと考えております。 ○渡辺渡 委員長 松井委員。 ◆松井正一 委員 わかりました。いずれにしましても答弁の中では現在の本県の考え方ということは理解できました。しかしながら、私も昨年9月の県議会において、子供第一、チルドレン・ファーストということを掲げた経過があり、やはり人づくりという視点でとらえた場合に、高校の実質無償化という施策に勘案して考えれば、公立・私立関係なく、いわゆる公私間の格差を生じてはならないという思いが私自身ございます。先ほども若干触れましたが、地方交付税交付金での配慮、または就学支援金の創設を受けて、いわゆる都道府県の財政的な面での救済があったことは理解できますが、本県の私学に対する助成につきましては充実を図ってもらいたい、このようなことを強く持っております。したがいまして、この後常任委員会等もありますから、そういった議論も当然喚起したいと思いますし、私としてはこの内容については拡充を図ってもらうよう強く要望させていただきまして、最後の質問に入りたいと思います。  高校生新卒者の就職支援策についてお尋ねいたします。  文部科学省の平成21年12月末時点の調査では、本年3月に卒業予定の本県の高校生の状況は、就職希望者数3,678名に対する就職内定者数は2,956名で、内定率は80.4%であります。なお、このデータにつきましては、平成22年1月末のデータも出ておりまして、それらでは84.8%ということでございました。前年同期の88.5%と比べまして8.1ポイント悪化しております。人数にして722名の高校新卒者の就職が決まっていなかったこととなり、極めて厳しい状況であります。  県の新年度予算では、人材確保・就職支援事業費において若年者雇用対策事業費を計上するなどその対策を講じることとしていますが、県内の各企業の理解を得ながらより積極的な対策を進め、高校生就職率100%を達成できるよう実効ある政策を推進していく必要があると考えます。  そこで、今後の対応について、学校現場の取り組みについて教育長に伺います。  また、就職が決まらないまま卒業した高校生に対してどう支援していくのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 須藤教育長。 ◎須藤 教育長 就職支援について、県立高校では生徒一人一人の適性や希望に応じたきめ細かな指導を行うとともに、企業訪問による求人開拓に努めるなどの努力を重ねているところでございます。また、県内経済団体や企業のご協力もいただき、新卒者の雇用を確保していただいたことによりまして、私ども県教育委員会独自の集計による2月末の県立高校の就職内定率は92.2%と、前年同期比マイナス1.5ポイントまで挽回してきたところでございまして、委員ご指摘の文部科学省12月末の段階よりも随分改善が図られてきているということでございます。  卒業後もまだ就職先が決まっていない生徒に対しましては、引き続き学校を窓口としましてハローワーク等の就職支援者に関する事業の情報提供などを行ってまいりたいと考えております。さらに、新年度は関係機関との連携のもと情報の収集・提供に努め、就職指導員の活用も含めた効果的な就職支援を展開し、一人でも多くの生徒が早い段階で進路を決定し、社会に巣立っていけるよう取り組んでまいりたいと思っております。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 高校生は大学生と比較しますと就職の活動期間が限られ、また就職活動にふなれなことがございますので、新卒者の早期就職に向けた支援が必要でございます。このため、まず2月に高校の進路指導担当者を対象として、高校卒業後に利用できる県や国の事業についての説明会を実施いたしました。また、3月には高卒未就職者を主な対象といたしまして就職活動のノウハウを提供するセミナーを県内3地区で開催することとしております。さらに、ジョブカフェに学卒未就職者特別相談窓口を設置いたしまして、キャリアカウンセラーによるカウンセリングなどの個別支援を行いますほか、職業理解を深めていただくため、若者就業体験事業や企業が求める人材に関するセミナーなどを実施してまいります。今後は緊急雇用創出事業を活用した雇用の創出に努めるなど雇用の場の確保にも取り組んでまいります。 ○渡辺渡 委員長 松井委員。 ◆松井正一 委員 答弁をいただきました。ちょうど3分を切りましたから、要望をさせてもらいます。  具体的な取り組みの中で随分挽回していただいたということで、大変ありがとうございます。私も高校生を持つ父親の立場ということもありまして、他人事ではありません。今、産業労働観光部長からもまさにご答弁の中で、ふなれだということがありました。まったくそう思います。そういう点では本当により積極的な支援策が必要なのではないかと思っております。  私なりに調査の中でわかった事例を一つ申し上げますと、広島県並びに福島県の事例がありました。広島県におきましては、未就職卒業者就業体験事業というのをやっておりまして、今、産業労働観光部長がおっしゃったようなメニューに加えて、より一歩踏み込んだ講座、または専門分野の方々とのさまざまな交流により、できる限り生徒たちの可能性を引き出す努力をしているところでございます。また、福島県の事例におきましては、これがいいかどうかという議論もございますが、県庁の臨時職員としての採用や、または企業への高卒新卒者に対する助成事業ということで1人当たり15万円を支給しているということが明らかになりました。いずれにいたしましても、職業高校の生徒たちに対しましても夢や希望を与えまして、本県の将来のものづくりを担う新鮮な労働力をぜひつくっていただきたいと強く要望させていただきます。  一言、私から述べさせていただきます。  今回の私の質疑につきましては、新政権の政策に関する県の予算の執行についての確認質疑が中心でありました。各答弁におきましていろいろな視点から考えていただいていることにつきましては敬意を表したいと思っているところでございます。  さて、私は今週のさまざまな動きの中で、まず、同僚議員に対する一連の懲罰動議の対応で大変胸を痛めました。なぜこのようになったかということも冷静に考えなければならないと考えているところでございます。確かに言葉も問題も含めて、あったことは否めません。しかし、その背景には我が会派として今回一つ大きなことがございました。予算要望に関する副知事や財政課長からの発言の中では、県議会から議決をいただくためには最大会派の要望しか聞けないのだ、実はそういう発言がありました。今議会で我が会派の代表からも二元代表制の議論があったことは事実でありますが、私はその二元代表制ということをつくづく考えてまいりました。私たち民主党・無所属クラブ県議会といたしましては…… ○渡辺渡 委員長 持ち時間を超過いたしておりますので簡便に願います ◆松井正一 委員 以上で発言を終わります。ありがとうございました。 ○渡辺渡 委員長 以上で松井正一委員の質疑は終了いたしました。  この際、休憩したいと思います。  11時10分から再開いたします。  休憩いたします。                午前10時55分休憩           ────────────────────                午前11時10分再開 ○渡辺渡 委員長 委員会を再開いたします。  引き続き、総括質疑を行います。  発言通告者に対し発言を許可いたします。  花塚隆志委員。 ◆花塚隆志 委員 花塚隆志でございます。どうぞよろしくお願いいたします。  まず、新年度予算案における経済効果についてお聞きいたします。  景気の動向につきましては、よく意見が対立すると言われる榊原英資さん、竹中平蔵さんが、最近では口をそろえてデフレ・円高・株安の三重苦で、ことし中にも二番底が来る可能性が高いと直近に発言をされています。県民の皆様が最も望んでおられるものの一つは、やはり経済対策であると考えます。  今回計上されました経済対策事業876億円は、昨年度当初に比べると2.3倍、総予算額では3.6%ふえました。また、実際に出ていくお金、実質一般歳出額6,590億円、これは前の年に比べると5.2%ふえておりまして、一定の規模が確保されているということですが、問題はその経済効果であります。  昨日、中川委員の質疑に、経済対策450億円、この効果を1.3に見込むという答弁がございましたが、今回は予算全体で考えてまいりたいと思います。経済効果。例えばここに一万円札があったとします。出しませんが、この一万円札が2回使われれば2万円、3回使われ例えば3万円の価値を生んでいく、また貯金として眠ってしまえばこれはゼロである。これが経済効果。また、別の言葉で言うと乗数効果と言われます。この言葉、最近は町のサウナなどでも聞かれるようになっておりまして、興味が高まっていると思います。今、一万円札という例を出しましたが、実は一万円札の市中に出回っている量というのは最近減っているそうです。減っていて千円札がふえている。これが現状だということであります。  さて、行政が直接行える経済対策は2つに分けられます。金融対策等を除きますと、1つは公共投資、もう1つは減税という手法であります。子ども手当等の給付をしようというものは減税手法に当たります。この2つのやり方、手法につきまして、内閣府の経済社会総合研究所が短期のマクロ計量モデルとして乗数効果を示しております。公共投資では1年目に1.20倍、2年目が1.80倍、3年目が2.23倍、こういう数字であります。それに対して、減税や給付では1年目0.25倍、2年目0.8倍、3年目にやっとこれで1を超えて1.08倍となっております。繰り返しになりますが、特に短期の効果が求められる今におきまして、1年目の効果は、減税や給付は0.25倍に対して公共投資では1.20倍。実に5倍近い違いがあります。これだけの違いがあるということでございますので、例えば可処分所得がふえてという言い方をされる減税手法ではありますが、この効果は極めて限定的。それに対して公共投資による効果は確実なものがあると、こういう数字でございます。  単独の給付等につきましては、国会では限界消費性向などを用いて議論が進んでおりますが、国におきましては、現政権はみずから――これは内閣府の数字ですから――このような数字を持ちながら、コンクリートから人へというフレーズを用いて、人に対する給付的な予算をふやす一方で、公共事業関係支出を大きく縮小させているのでありますが、経済効果という観点からは全く逆行していると言えます。公共投資をやめて浮いたお金を配る、こういう方法では経済効果ががくんと落ちてしまう。不況下でとるべき政策ではないということがわかります。  一方、公共投資は仕事イコール雇用を生み出して人を動かし、物を動かし、社会を動かして、関連する業種に波及しながら県民経済に浸透していくということで一定の効果を発揮します。そして何よりも、減税手法というのは後に何も残していきませんが、公共投資は同じお金を使いながら県内に住民のための共通資産を確実に残すという、全く違った効果をもたらすわけです。  さてそこで、県では平成22年度当初予算案についてどのような視点で各事業への配分を行ったのか。特に公共投資に対する配分をどのように考えたのか。全国知事会では、知事は景気・雇用などのプロジェクトチームに所属されているということでございます。知事にお伺いしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 平成22年度当初予算案は、県税収入が大幅に落ち込む中、給与カットなど内部努力の徹底や行政経費の削減など、とちぎ未来開拓プログラムの着実な実行により財源不足額を圧縮するとともに、平成22年度政策経営基本方針に基づく重点施策等に取り組むほか、安全で安心な地域社会づくりなど5つの分野を柱に、各種施策の推進を図ることとして編成をいたしました。あわせて、現下の最重要課題であります経済・雇用対策につきましては、現時点でとり得る対策を最大限盛り込んだところでございます。  お尋ねの公共投資でありますが、まず、道路など身近な社会資本の整備につきましては、プログラムに沿って平成22年度当初予算案において必要額を確保いたしました。平成21年度2月補正予算案におきましても、県単公共事業費を追加計上することにより、すそ野の広い建設関連産業の受注量の確保を図り、切れ目のない景気の下支え対策に努めることといたしました。また、足利・大田原両赤十字病院の移転整備に対して支援をするほか、国の経済対策による基金を活用して保育所等の整備や社会福祉施設の耐震改修等を促進いたしますとともに、県立学校を初め県有建築物の耐震化を進めてまいります。このほか、引き続き通学路の歩道約30キロメートルの整備や視認性にすぐれた標識・標示の整備を計画的に進めることといたしました。  このような考え方により編成いたしました結果、国の予算及び地方財政計画のいずれも公共投資が大幅に抑制される中、本県では投資的経費全体で3.7%の伸びを確保したところであります。特に県単事業は2年連続で前年を上回り、10.8%と5年ぶりに2けたの伸びとなっております。市町村を初め関係機関との密接な連携のもと、これらの事業を実施することによりまして、切れ目のない経済効果を上げられるものと考えております。 ○渡辺渡 委員長 花塚委員。
    ◆花塚隆志 委員 3.7%増。しっかりしたご答弁をいただきました。  公共投資に関連して、もう一回お聞きしたいと思います。  経済対策があって資産を残す公共投資は有効であります。政策としても重視すべきであります。しかしながら、これからずっと従来型のままでいいのかといえば、見直すべきだと考えます。やめてしまえという公共投資不要論は、身の回りや県土の将来を思えば現実的ではありません。また、縮小すべきといっても、実は小泉政権下で既に半分以下になっているということであります。見直すべき、再点検すべきは、何を次の世代に残していくかというその投資先であり、また固定化しているその手法ではないかと考えております。  我が会派の野田尚吾議員の県議会代表質問において、例えば太陽光、水力、バイオマスエネルギーといったものの導入を、新たな公共投資と位置づけて主要施策として実施すべきだという提言がございました。これに対して知事は、環境立県、そして活力創出という視点から、次期総合計画における積極的な取り組みを示唆しておられます。  社会資本の考え方について、東京大学の宇沢教授は、従来の社会資本に加えて自然環境、さらに教育や医療といった制度資本をこれに加えて、豊かな社会の維持・発展を支える社会的な装置として社会的共通資本という新たな概念を打ち出しておられます。  また手法についてでありますが、固定化した発注方式を見直して、例えば新たな公といわれるような、行政のみが主体でなく県民やNPO、各種団体、そして企業のアイデアやノウハウ等々を相互につないで柔軟な手法で新たな価値を生み出していくことが望まれると考えます。  私は、地方の自由な裁量に基づいた公共投資の実施を見据えて新しい分野への公共投資、このように対象を広げて、新たな公と言われるように柔軟な手法を用いながら、この際新たな概念による公共投資政策を打ち出していくべきだと考えているわけですが、知事の考えをお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 限られた行財政資源を有効に活用しながら政策を実行することがまず重要であると考えております。このため、時代のニーズに則した政策に行財政資源を投入することによって県民益の最大化を図っていく必要があります。  今後、すべての活動の原動力となる人づくりを基本として安全・安心の確保、活力の創出、環境問題への対応などの視点で施策を重点化し、多様な主体との協働のもとに、今御提言のありました、より身近なものも含めた新たな公共サービスの視点というものを持って政策を進めてまいりたいと考えております。  実施した身近な例といたしましては、過日県庁本館の15階のかつての喫煙ルームに環境サテライト(とちぎの青空)という機械を整備しました。これは今まで保健環境センターにあったものです。二酸化炭素、窒素酸化物、オキシダント、こういったもの6項目について、大気の常時監視を37カ所でしております。それらが15階の端末で常時だれでも見られるという仕組みをつくりました。また環境学習を学ぶクイズなどもありまして、子供たち、家族でも使えると、こういったところに設備投資をしたわけでございまして、これもご指摘の新たな視点での公共投資というものにも該当するのかと思っているところであります。 ○渡辺渡 委員長 花塚委員。 ◆花塚隆志 委員 ありがとうございます。  もう一つ、ここでコンクリートから人へという考え方に関連して、知事に聞いておきたいと思っております。  一見、だれにも受けそうななかなかうまいフレーズでありまして、天からお金が降ってくるイメージにもつながりますが、ただ、これを全国的なお金の流れということからとらえますと、例えばことしは雪がたくさん降りましたが、雪は均等に降るというイメージがありますが、あのような均等な降り方はしない。これまでは、どちらかというと公共投資という名でどんと地方に流れていた流れ、これを止めて今度は人に振り向けるということですから、今度は人がひしめく大都会に集中することになるのではないか。地域格差が極めて大きくなる恐れがあります。  そうならないように、我々地方は監視をしていかなければならないと考えます。知事にも、全国知事会等を通じて国費全体の流れが偏ったものにならないようこれを注視し、発信をしていただきたいと思いますが、知事の考えをお聞かせください。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 政府が掲げております地域主権改革を進めるためには、地方自治体がみずからの創意工夫に基づいて各種施策を推進していくことが必要でありまして、そのためには都会や地方にかかわらず地方税財源の充実確保が不可欠であると考えております。  私が参加しております全国知事会の一括交付金化プロジェクトチームにおいて、そのような観点から制度設計に向けての諸課題について議論をしているところでありまして、地方自治体への配分基準のあり方や地域間格差の是正は重要な論点となっております。今後も全国知事会のプロジェクトチームにおける議論を重ねていくことにより、一括交付金化の制度設計を行う政府の地域主権戦略会議に対しても本県の意見を届けてまいりたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 花塚委員。 ◆花塚隆志 委員 次に、人づくりについてお伺いいたします。  私は、現政権がコンクリートから人へと言い出す前、実は昨年の一般質問で、栃木はこれからは人に投資をする、新しい公共投資を行うべきだと申し上げました。コンクリートから人へという言葉に投資という言葉をつけまして、全く違うイメージでコンクリートから環境、そして人までへの幅広い投資という意味で申し上げたつもりでございました。これからは人そのものに投資をして本県の県民力をアップしていく。生涯学習や学校教育の向上、それから職業におけるスキルアップ、こういうことで大胆な政策をとっていくべきではないかと考えております。先ほど申し上げました社会的共通資本という考え方の中では、教育は制度資本として医療と並んで最も重要な構成要素に位置づけられております。  さて、県が昨年策定いたしましたとちぎ未来開拓プログラムでは、「次の時代を切り拓く人づくり」として、また、先ごろ示した次期総合計画の第1次素案では、とちぎづくりの基本方向において、すべての政策に優先して県政の基本にこれを据えるなど、最も重要な政策として人づくりを推進しようとしています。そこで、県では平成22年度予算案において人づくりと言える予算をどのような考えで計上しているのか、知事にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 人はすべての活動の源泉でありまして、地域の活力の基盤であります。このため、とちぎ未来開拓プログラムにおきまして、選択と集中により的確に対応を図るべき分野の第一に「未来を切り拓く人づくり」を掲げたところであります。  平成22年度当初予算案におきましては、子育てしやすい環境づくりを推進するため、こども医療費の助成対象を小学校6年生まで拡大いたしますとともに、安心こども基金の活用によって、市町村の創意工夫ある子育て支援の取り組みや保育所の整備などへの助成を行うことといたしました。また、社会全体で子供を健全に育てていくためのとちぎの子ども育成憲章の県民への広報に取り組みますとともに、小中学校における本県独自の少人数学級を引き続き推進してまいります。県立高校におきましても、多様な学習ニーズ等に対応できる学校づくりを推進してまいります。また、働きながら資格をとる介護雇用プログラムの実施や農業版のビジネススクール開設など、多様な分野における人材の育成にも努めてまいります。  以上のように、極めて厳しい財政状況にありますが、人づくりに関する予算につきましては積極的に取り組むこととしたところであります。次期総合計画の策定に当たりましても人づくりを政策の基本に据えて、県民一人一人が主役となって多様な主体が協働・創造し、地域が自立・発展するとちぎづくりを進めてまいりたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 花塚委員。 ◆花塚隆志 委員 教育長に1点、要望だけ申し上げたいと思います。  教育長が打ち出されている現在の施策、とちぎの子どもの基礎基本や高校教育活性化プランなど、教育長の信念を感じます。これからの栃木を考えていく上では、遠慮せずに、また予算という枠にもとらわれず、さまざまな施策を打ち出していただきたいと考えております。  要望と申しますのは、ただ1点、残念ながらけさ新聞に出ておりました学力テストの実施率が全国に比べて落ち込んでいるというのは、私はどうも納得できないと思います。そういう点も、県によって違うということになってくるわけですから、これは教育長のお考えで、やはり全県レベルで実施をしていかれるように要望したいと思います。  さて、今回は公共投資についてお伺いをいたしましたが、県民が本当に求めていることについては思い切って投資を続けていく。知事が導入を決断していただきましたドクターヘリは大きな効果を上げ始め、これからも大きな効果を上げ続けてくれるものと確信をしております。まさに社会共通資本であります。厳しいときでありますが、これからもすばらしい施策が次々とこの栃木から発信されていくことを念願いたしまして、質疑を終わります。ありがとうございました。 ○渡辺渡 委員長 以上で花塚隆志委員の質疑は終了いたしました。  続いて、発言通告者に対し発言を許可いたします。  髙橋文吉委員。 ◆髙橋文吉 委員 自由民主党議員会の髙橋文吉です。  私は、今年度経済雇用対策特別委員会の委員長として経済雇用対策を調査研究してまいりました。また、今議会に上程された来年度予算案でも、経済対策事業として今年度当初予算と比べ約2.6倍の450億1,600万円を計上しております。  そこで、まず県の最重要課題でもあります経済雇用対策に関連して2点お伺いしたいと思います。  初めに、企業立地の促進についてお伺いいたします。  企業の立地は雇用の場の確保、税収増加、地域経済の活性化など地域の振興に資するものです。このため、各自治体では補助金などの優遇策の拡充や立地環境の整備等を進めるなど、地域間競争が激しくなっており、企業においても工場や研究所等の移転・集約等が進んでおります。昨年は、県内でもコマツ真岡工場やキリンビール栃木工場など大規模な工場の閉鎖や事業規模の縮小が発表されました。これまでに本県の経済や雇用の場の確保に大きく貢献してくれただけに、非常に残念に思っております。しかし一方では、東芝メディカルシステムズなど本県に集約を図った企業もあります。  本県は大消費地である東京圏に近く、豊富な水資源を有するなどの立地優位性があります。私はこうした本県の立地優位性を最大限に生かし、企業の立地を促進していかなければならないと考えます。県では、来年度新たに立地企業緊急雇用促進事業に取り組むこととしています。そこで、新たな企業立地策である同事業の目的と仕組みについて、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 一昨年からの急激な経済情勢の変化は、企業の経営戦略にも大きな影響を与えまして、設備投資が減少するとともに生産拠点の再編が行われるなど、地域の雇用確保に不可欠な企業誘致をめぐる地域間競争は今後一層激しさを増していくものと考えております。  お尋ねの立地企業緊急雇用促進事業につきましては、このような状況の中でこれまでの新規企業の立地と既存立地企業の定着促進のための優遇制度を強化いたしますとともに、あわせて雇用の創出と拡大を図ろうとするものでございます。具体的には、経過措置はございますが、原則としてこの4月から2年以内に新たに立地した企業や既存工場の拡張を行った企業が県内から5人以上の正社員を雇用した場合、従来からの土地や建物の取得に対する補助金に加えまして、新規雇用者1人当たり50万円を助成するものでございます。今後は、ホームページやパンフレットなどによる積極的なPRに努めますとともに、この事業を最大限に活用いたしまして本県への企業誘致に努めてまいります。 ○渡辺渡 委員長 髙橋委員。 ◆髙橋文吉 委員 1点再質問をさせていただきます。  新たな補助金は企業にとっても魅力のある優遇策であり、その効果に期待しております。  そこで、県ではこの新たな補助制度に加え、企業の新規立地や定着促進を図るためにどのような取り組みを行っていこうと考えているのか、産業労働観光部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 まず、企業の新規立地を図るための取り組みといたしましては、引き続き知事による企業へのトップセールスの一貫といたしまして、企業立地セミナーを東京で開催いたしますほか、来年度は、これも東京でございますが、企業の投資動向についての情報を有する開発事業者あるいは金融機関等を対象といたしまして、本県の立地環境をPRする企業誘致セミナーを新たに開催することといたしております。また、企業誘致体制につきましては、金融機関やインフラ関連企業を加えまして誘致体制を強化してまいる考えでございます。  次に、定着促進についてでございますが、知事と県内立地企業のトップや幹部との意見交換を強化することによって立地企業のニーズの把握や情報収集に努め、立地環境の向上を図りながら定着促進に努めてまいります。 ○渡辺渡 委員長 髙橋委員。 ◆髙橋文吉 委員 ここで要望させていただきます。  立地企業のための優遇策は、経済効果や雇用の場が確保されていることを考えれば必要な投資であると思います。最近では、ホンダの子会社のホンダエンジニアリングが宇都宮市内に研究施設を新設することに対し、宇都宮市が10億円の助成費を新年度予算に計上したことが話題になりました。こうした情報が呼び水となって企業の設備投資を促すことも考えられます。本県も厳しい財政状況の中から予算を捻出するわけですから、企業立地や雇用確保に向け、補助制度を有効に活用してもらいたいと思います。  また、知事に1点要望させていただきます。  企業立地にはトップの熱意も必要だと思います。今後ともトップセールスによる企業誘致や定着促進に向けた企業との意見交換などに率先して取り組んでいただけるよう要望させていただきます。  次に、若年者への就職支援についてお伺いいたします。  一昨年来の世界的な不況の影響などにより、本県の有効求人倍率は過去最低水準で推移しております。ここ数カ月は徐々に上向いてきておりますが、平成22年1月で0.41倍と、依然として低い水準にあります。  こうした状況は学生の就職も同様であり、本県の高校生や大学生等の就職が例年になく厳しいものとなっています。栃木労働局の発表によれば、今年3月に卒業を予定している学生の就職内定率は、1月末現在で高校生が84.8%で対前年比11.3ポイントの減、大学生が62.5%で対前年比8.2ポイントの減、短大生が73.9%で対前年比1.4ポイントの減となっております。もちろん在学中にすべての学生の就職先が決まればよいのですが、このままでは就職先が決まらずに卒業する学卒未就職者が例年より多くなり、若年求職者が増加することが予想されます。県においても若年求職者に対する就職支援が必要と考えます。  そこで、学卒未就職者も含めた若年求職者への支援について、産業労働観光部長に伺います。 ○渡辺渡 委員長 野口産業労働観光部長。 ◎野口 産業労働観光部長 新規学卒者の就職につきましては、求人数が過去10年で最低となるなど、就職氷河期の再来が懸念されますことから、学卒未就職者への就労支援が喫緊の課題であると認識しております。  このため、まず県では、今月18日に開催いたします離職者向けの合同面接会に学卒未就職者の参加を促したところであります。今後は、働きながら資格の取得や研修の受講が可能な地域人材育成事業を活用した学卒未就職者向けの事業や、従来の緊急雇用創出事業において学卒未就職者枠の設定を検討するなど、積極的な雇用の創出に努めてまいります。また、職業的自立を図るためのキャリア形成には職業訓練が有効な手段であることから、若年求職者バウチャー事業の活用を図るとともに、高等産業技術学校においては、新規学卒者枠として普通課程は定員の1割、短期過程につきましては各科5名の定員増を図ったところであります。  今後とも、就職支援担当職員を新たに配置するなど体制の充実を図りましたジョブカフェと、栃木求職者総合支援センターやハローワークとの連携をより一層深めながら、若年求職者の就職支援に努めてまいります。 ○渡辺渡 委員長 髙橋委員。 ◆髙橋文吉 委員 ここで2点要望させていただきます。  厳しい雇用情勢の影響で就職を希望しながら就職できずに卒業を迎えてしまった方は、大変つらい思いをしていると思います。ただいまの答弁では、県でもさまざまな若年求職者対策を行っていくということですが、先ほどの立地企業緊急補助事業とあわせて、一人でも多くの方が就職できるような取り組みをお願いいたします。  また、昨年、次期総合計画に係る県民意向調査の結果が公表されました。その中で、県内高校生の意向調査で、「将来も栃木に住みたいか」という問いに対し「住みたくない」との回答が29.5%もありました。その理由として「希望する進学先・就職先がないから」という回答が40%もありました。本県の未来を担う若者が県外に流出してしまうということは大変大きな問題だと思います。文部科学省の調査によれば、本県で今年3月末に卒業する高校生の就職希望者の約86%は県内での就職を希望しています。県内で就職を希望する方の確保に向けた取り組みも引き続きお願いいたします。  次に、青少年の健全な育成についてお聞きします。  私は、最近、礼儀をわきまえなかったり、自分さえよければいいといった自己中心的な考え方の若者がふえてきていると強く感じている一人であります。これは社会や経済状況が大きく変化し、物質的な豊かさや利便性が発展した半面、地域の連帯感や家庭における親子の触れ合いが少なくなったことで、社会の一員としての自覚や倫理観等が育ちにくくなるなど、子供たちの健やかな育成の上で大切なものが失われてきていることが原因ではないかと思います。  そのため、本県の将来を担う青少年が心身ともに健やかに育っていくことができるように、県民が一体となって、地域、家庭における子供の育成力を高める必要があると考えます。そこで、県では青少年の健全育成に今後どのように取り組んでいこうと考えているのか、県民生活部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 荒川県民生活部長。 ◎荒川 県民生活部長 心豊かでたくましい青少年を育成するため、県ではこれまで市町村を初め、関係機関、団体等と連携して、各種の施策を推進してきたところであります。  特に、青少年がよい生活習慣やしっかりとした規範意識を身につけながら人格形成をしていく上で家庭の役割は重要でありますので、平成18年度から家庭の日の定着に努めてきているところでございます。  また、青少年が心身ともに健全に成長していくためには、親はもとより周りの大人がより積極的に子供の成長にかかわっていく必要があるため、大人の取り組みを促すとちぎの子ども育成憲章を制定したところであります。今後、この憲章の理念を県民全体で共有し実践していけるよう各種啓発に努めるとともに、一過性の運動にしないよう新年度に策定予定の次期青少年プランに位置づけて、継続的な取り組みを推進してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 髙橋委員。 ◆髙橋文吉 委員 ここで要望させていただきます。  私は、昨年12月議会の一般質問において、子供たちの自制心や規範意識の低下など子供たちの行動に対して指摘されている問題点の多くは大人の問題であり、関係機関が連携協力して家庭教育の充実強化を図り、本県が全国の先駆けとなるような取り組みを推進すべきであると申し上げました。  ただいまの答弁の中にありましたが、今回のとちぎの子ども育成憲章の制定は、私の意図するところでもあります。私も育成憲章を読みましたが、思いやりの心をはぐくむとか、社会の一員としての自覚を育てるとか、ともによい内容であると感じました。とちぎ元気プランにおいても、向上心や規範意識、他人を思いやる心をはぐくむなど、栃木の人間力を高め、家庭や地域など社会のさまざまなきずなを結び直し、それぞれの立場を越えて協働していくことによって、だれもが豊かさを実感できる栃木が実現できるとしております。今回の憲章は、まさに栃木の人間力を高める取り組みだと思います。青少年は本県の将来を担う宝です。私は青少年の健全な育成なくして本県の将来はないと思っております。知事もそのような危機感から育成憲章の制定をマニフェストに掲げられたのだと思います。そこで知事に要望いたしますが、ぜひ県民の皆様が憲章を理解し、実践していただけるような仕組みを検討していただきたいと思います。  私は今回の登壇に当たり、県民の皆様に未来に希望を持っていただくためには何が必要かという観点から、経済雇用対策と青少年の健全育成について質問をさせていただきました。本県を取り巻く環境は大変厳しいものがありますが、知事初め執行部の皆様には「誇れるふるさと“とちぎ”」を将来につなげるために最大限の努力をお願い申し上げまして、私のすべての質問を終わります。ありがとうございました。 ○渡辺渡 委員長 以上で髙橋文吉委員の質疑は終了いたしました。  続いて、発言通告者に対し発言を許可いたします。  増渕三津男委員。 ◆増渕三津男 委員 私は今年度1年間県土整備委員長として県内全市町を訪問し、地域の実情をこの目でつぶさに確認してまいりました。本県の県土整備行政を展開していくに当たって今後考えていかなければならない幾つかの課題が見えてまいりました。  早速、発言通告に従いまして質問させていただきます。  まず、土砂災害対策についてお伺いいたします。  本県は豊かな自然環境に恵まれている一方、県土の多くが山林であるため、がけ崩れ、土石流、地すべりといった土砂災害が発生するおそれがある危険箇所が現在約7,000カ所あると聞いております。  近年1時間に100ミリを超えるような猛烈な雨が降る、いわゆるゲリラ豪雨により、全国各地で災害が発生しております。本県でも平成20年8月に集中豪雨により冠水した鹿沼市の高速道路アンダー部での水没事故が発生し、尊い命が失われたことは記憶に新しいところであります。昨年7月には九州地方北部や中国地方で記録的な集中豪雨が降り、山口県では特別養護老人ホームを土石流が襲い、入居者7名が死亡したほか、国道262号線沿いで発生した土砂崩れにより4名が犠牲になるなど、土砂災害の脅威をまざまざと見せつけられました。  今年度県内全市町の現地調査を行いましたが、本県でも山口県と同様に老人ホームが、災害時に自力で避難できない方が利用する施設が、危険区域の中に立地されている状況がございます。土砂災害から県民の生命と財産を守り、県土の保全を図るために、まず土砂災害を未然に防ぐことが何よりも強く求められているところであります。しかし、限られた予算の中では危険箇所すべてにおいてハード対策を実施することは難しいことから、土砂災害の危険が生じた段階で、速やかに県と市町が連携しながら住民を避難させる体制を整備することも非常に重要であると考えております。  土砂災害の被害をより軽減させるためには、ハード、ソフト両面から対策を講ずることが必要であると考えますが、本県におけるハード対策の現状とソフト対策の充実・強化に向けた取り組みについて、知事にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 県では、大雨の際に土石流など土砂災害の発生のおそれがある約7,000の危険箇所のうち、人家や避難場所、学校、病院等の公共施設があり大きな被害が予想される約2,000カ所につきまして優先的に砂防施設整備を進めております。平成20年度末までの整備済み箇所は、おおむね4分の1程度となっております。さらに、砂防施設整備によるハード対策に加えて、危険箇所の指定・周知や危険性の予測、情報の速やかな伝達等のソフト対策により、土砂災害から県民の生命を守ることが重要であると考えております。  このため、県では大きな被害が予想される箇所から順次土砂災害警戒区域の指定を進め、緊急時の非難体制の確立や土地の開発抑制を図っており、これまでに全体の約40%が完了しております。また、平成20年からは気象台と共同で3時間先までの危険性を予測できる土砂災害警戒情報システムを構築し、警戒情報を発表するとともに市町村や消防機関等に伝達して住民の早期避難を促しているところであります。さらに、市町村のハザードマップ作成を支援いたしますとともに、合同で行う避難訓練の実施・拡充を図ってまいります。  県といたしましては、今後とも効率的・効果的なハード対策とあわせ、市町村などとの連携強化や住民参加の促進など、協働によるソフト対策の充実を図ることにより県民の安全・安心の確保の努めてまいります。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕三津男 委員 ありがとうございました。ハード、ソフト十分に対策をとっているというお話であります。  それでは、再質問をさせていただきたいと思います。  山口県における土砂災害の状況について調査をしてまいりましたが、災害のおそれがある場合、早期に住民を安全な場所に避難誘導することが重要であると考えております。  そこで、市町が行う避難勧告・命令の基準と、災害弱者を対象とした避難対策について、県土整備部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 池田県土整備部長
    ◎池田 県土整備部長 住民の避難につきましては、地域の実情に詳しい市町村長がさまざまな情報を総合的に判断して避難勧告・避難の指示を発令することになっております。県としては、市町村長が住民避難を適切・スピーディーに行えるよう、土砂災害警戒情報や周辺地域の災害発生状況について、土木事務所などを通じて迅速に情報提供を行うことといたしております。  また、災害弱者を対象といたしました避難対策についてでございますが、災害時に手助けが必要となるいわゆる要介護者が安全・スムーズに避難できるよう、避難場所の位置や安全の避難ルートなどを記載したハザードマップを作成する市町村を支援いたしますとともに、平常時から市町村の方々や地域の防災組織との情報交換や、合同で避難訓練を実施するなど、今後ともハード整備に加えてソフト面での避難対策にも取り組んでまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕三津男 委員 山口県に行って調査してきたわけですが、この事例は、災害が発生してその後に避難勧告が出て大惨事につながったということでございます。このようなことも踏まえまして、ぜひとも避難対策、それに伴った各市町とさらなる連携強化を図りながら、災害のない安心な県土づくりに努力していただきたいと思います。  1点要望しておきたいと思います。  土砂災害防止には、森林における保水向上対策も重要であると考えております。とちぎの元気な森づくり県民税を活用して、手入れが行き届いていない森林の整備を行うなど、土砂災害に強い安心・安全な森づくりを検討くださるように要望いたしまして、次の質問に入ります。  次に、生活バス路線に対する支援についてお伺いいたします。  県の生活交通対策の一つとして、生活路線バス維持費補助金がございます。この補助金は国庫補助事業の対象にならないものの、地域住民の日常生活に必要不可欠なバス路線について、経常損失額を県と地元市町村がバス事業者に対して補助をするものであります。  この補助金に関して、県では平成23年度から乗車密度に応じた見直しをするとしております。しかしながら、特に本県の郡部においては、公共交通といえば唯一路線バスという地域も少なくありません。このような地域では、高齢者を初めとした自家用車を利用できず移動を制約される交通弱者といわれる方々の日常生活の足を支えていくことが非常に大きな課題であります。また、この補助金の必要となるバス路線は、郡部にあっては人口密度の低い地域を結ぶ路線であり、補助金がなくなった場合には即運行廃止となってしまうことが懸念されます。このような中、乗車密度に応じた補助金の見直しが行われる場合に、地域住民の生活交通の確保を図ることができるのか心配をしております。  そこで、県はどのような考えで生活バス路線の維持費補助金の見直しをしようとしているのか、県土整備部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 池田県土整備部長。 ◎池田 県土整備部長 県のバス事業者に対する補助制度についてでございますが、広域的な役割を県が担い、地域内交通を当該市町村が担うということになっております。  今回の見直しに当たりましては、複数市町村にまたがる路線についてはこれまでの制度を維持することとし、単一市町村を運行する路線については乗車密度が5未満の路線についてのみ補助額を調整することといたしました。  この制度の導入により、バス事業者には、路線の宅地利用や施設立地などの変化に応じた運行経路の見直しや運行ダイヤの最適化、車両の小型化など、利用者のニーズに対応した改善を行っていただき、持続可能な路線として運行を促してまいります。さらに、平成21年度に策定したとちぎ生活交通ネットワークガイドラインあるいは生活交通再構築事業費補助金などを活用していただきまして、利用者へのサービス低下が最小限となるよう、今後とも地元の市町村とともに協力して取り組んでまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕三津男 委員 ただいま答弁をいただきまして、基本的にはこの路線バスの補助金の見直しについては、単一市町村を対象にした柔軟な対応で補助金の見直しを図るということかと思っております。  きのう山形委員からもお話がありましたように、交通弱者の方が日常生活の中で移動できる手段はやはり路線バスであり、市町村が行っているコミュニティバス等々が考えられると思っております。今後の補助金の見直しに当たっては、ぜひともそういう実情を十分勘案していただきまして、各市町との連携を図りながら対応を図っていただければということを要望いたしまして、次の質問に入らせていただきます。  次に、那須地域の未利用分譲地の活用についてお伺いいたします。  実はこの案件については私も力を入れてやりたいと考えていたところ、けさの下野新聞に早々とこの内容についての質問があったわけでございますが、質問通告に従って質問させていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。  那須地域は御用邸が置かれていることを例に出すまでもなく、全国有数のリゾート地であります。そのため、昔から首都圏の方々の別荘地としても開発されてきた歴史があります。特に昭和40年代には日本列島改造論にのって大規模別荘地が多数造成されました。それから40年以上が経過し、当時開発された別荘地においては住宅の建てかえや相続に伴う土地の売買等が相当数発生していると聞いております。  しかしながら、これらの別荘地の中には、道路としての形態はあるものの建築基準法における道路としての手続をとっていなかったために、住宅の新築や建てかえ、宅地としての土地の売買ができないなど問題が発生していると聞いております。これらの分譲地は、現在でも当該市町村において貴重な資産であります。それが単なる手続上の不備のために有効活用できないとなると、その経済的な損失ははかり知れないものがあります。  そこで、これらの貴重な資産を有効活用する観点から、そして当該市町の振興に資する観点からも、これらの分譲地内の道路を建築基準法上の道路として認定すべきではないかと思いますが、県の考えについて県土整備部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 池田県土整備部長。 ◎池田 県土整備部長 那須地域における分譲地内の道路が建築基準法の道路にならず、住宅の建築や宅地としての土地売買ができない分譲地が多数存在していることは承知申し上げております。  当該分譲地内の道を建築基準法上の道路して住宅を建築できるようにするためには、道路部分に関する所有者のご理解を得て、道路位置指定――これは建築基準法上の言葉でございますが、道路位置指定の手続を行うことが最も有効であると考えております。  県といたしましては、道路位置指定の手続が円滑に進められるよう、地元の市町村と連携いたしまして、また分譲地の土地所有者や関係団体に対しても講習会を通じて制度の周知を図るとともに、個別の案件については所管の窓口で今後とも相談に対応してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕三津男 委員 今、答弁いただきましたのは、現在の状況の報告であったのでないかと考えております。  この2つの分譲地ですが、広谷地地区は那須町において一番人気のあるスポットになってきております。私もこの間現地調査をさせていただきました。本当に道路は立派な幹線道路で6メートル以上あると思います。それで枝線が4メートル確保されている。だれが見てもこれは立派な分譲地であり、東京都心の方は見れば買いたくなると思います。しかし、現実的にはこの40年前の分譲地は位置指定をとっていない。これは建築基準法以前の道路――施行が昭和25年でしたか。みなし道路、既存道路にも指定できない。これらは、眠った宝物といいますか、有効活用することによってかなりの波及効果が生まれるのではないかと考えております。  それで、経営管理部長に、この土地が動くことによって、県にどれだけの税収が上がるのか伺いたいと思います。いろいろな税目的があるとは思うのですが、土地の動きに係る税金、家の建築に係る税金や売買に係る税金などについて答弁をいただければと思います。 ○渡辺渡 委員長 鈴木経営管理部長。 ◎鈴木 経営管理部長 分譲地の土地売買等があった場合には、県としては土地を取得された方から不動産取得税をいただけるということになろうかと思います。また、土地を売り渡した会社であれば、その所得に法人関係の税金がかかり、県に入ってくるということになろうかと思います。市町村も固定資産税等あろうかと思います。そういったことで経済も動く、県としても市町村としても税金が入るということではいいことだと思います。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕三津男 委員 急に振って申しわけございません。今お話にありますように、県においてもかなりの税収が見込まれるのでないか、あるいは市町村においては固定資産税が重要な税収として入ってくるのではないかということでございます。ですから、この眠っている土地を何とか経済活性化も含めて地域の活性化につなげることができないのかと考えております。今は大田原土木事務所の建築部で対応しているという状況がございますが、これをやはり県全体として、できるできないは別にしても真剣に考えていただいて、この遊休資産の活用を図っていただけるようにお願いしたいという考えでございます。  本当に、このことについては、いろいろな団体からも苦情、要望などが寄せられております。そして、この2つの分譲地、これは氷山の一角だという考えがあるようですが、那須塩原、那須町にはこういう土地がもっとあると聞いております。道路位置指定しかもう方法がないのだというようなお話でございますが、そういうものに全庁挙げて取り組むことによって、民間でも不動産業あるいは建築業の方などに、さまざまな相乗効果が生まれてくると考えております。また、このまま放置すれば、やはり環境保全、冒頭で申し上げました那須ロイヤルリゾートのイメージにもかなりダメージを与えるのではないかと考えております。環境保全といった面からも、ぜひとも県一体となってこの問題に真剣に取り組んでいただきますよう要望申し上げまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。 ○渡辺渡 委員長 以上で増渕三津男委員の質疑は終了いたしました。  この際、休憩したいと存じます。  午後1時15分から再開いたします。  休憩いたします。                午後0時14分休憩           ────────────────────                午後1時15分再開 ○渡辺渡 委員長 委員会を再開いたします。  引き続き、総括質疑を行います。  発言通告者に対し、発言を許可いたします。  増渕賢一委員。 ◆増渕賢一 委員 早速質問に入りますが、その前に、答弁をされる皆さん、また後におられる委員の皆さんに共通の認識を持っていただきたいために、政府の財政事情についてお話をさせていただきます。  平成21年度末国債残高、国・地方を合わせて860兆円。平成22年度、今審議している予算、総額92兆円強。そのうち税収を見込んでいるのが37兆円強。国債依存、44兆円強。国債依存比率は約48%。これを前提にして、以下質問させていただきます。  まず、県の予算獲得、そして編成の手順。前政権時にはどうであったか。現政権時ではどうであったか。まず、この点について須藤副知事にご答弁いただきます。 ○渡辺渡 委員長 須藤副知事。 ◎須藤 副知事 予算の獲得・編成の手順についてでございますが、国庫補助事業等の具体的な予算の確保につきましては、従来から県では、国からの照会等に対して制度の趣旨や採択基準等を考慮いたしまして、県における各種の計画あるいは市町村、地域のご要望などを踏まえて国に事業実施に係る計画等を報告いたしまして、事務レベルの連絡調整を行ってまいりました。またごく一部の分野でありますが、個別の予算の確保に向けまして、国に対して部長レベルで要望活動を行ってきたことはございます。  昨年の政権交代後も、事務レベルの連絡調整は行ってきているところでございますが、先ほど従来からごく一部でと申し上げました具体的な部長レベルでの要望活動につきましては、現在見直しているということでございます。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕賢一 委員 実は、民主党政権に政権が変わったからその手続を変える、各地方自治体の予算は、全部民主党県連を通じて民主党の幹事長室で一括で対応するという話でございます。不思議だなと、実は私は思っているのです。今副知事が答弁なさったとおりだと私も承知しておりますし、今までもそのとおりにやってきたと思っております。  しかし、事務レベルでの折衝でどうしても積み残したもの、今はやめておりますが、数年前までは地元選出の与野党の国会議員全員に集まってもらって、県の重要事項の説明をし、予算獲得のバックアップをしていただいた部分は予算全体、例えば未来開拓プログラムで3,000の事業の見直しをしたと言っておりますが、仮に3,000とするとそのうちの90%ぐらいが事務折衝で決まっている。残りの10%――これは概算ですが――10%ぐらいを国会議員や関係部局の職員だけでは間に合わずに、副知事や知事が改めて陳情に中央省庁に伺うという手続だったと思っております。  そこで、再度副知事にお聞きします。  1カ月ほど前でしょうか、民主党の議員団から、これは国土交通省関係の箇所づけと私は聞いているのですが定かではありません。これを出したとか出したやつをまた引き戻したとかという話がございました。その経緯についてお聞かせいただきたいと思います。  もう一つ、先ほど松井委員から発言がありました与党の話しか聞かないということを本当に副知事や財政課長が言ったのかどうか。もし言ったとすれば、これは我々、知事与党の立場であっても許せないことでありますから、これは改めてご確認をさせていただきたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 須藤副知事。 ◎須藤 副知事 1カ月ほど前の話ということであると、多分直轄事業に係る個別の事業箇所についての話だと思いますが、民主党県連のほうから一応いただくことはいただきましたが、それはどういうものかについては正式なものではないと後ほど聞いておりますので、そういう状況でございます。  また、先ほど最大会派からの要望しか聞けないというような発言をしたというご指摘がありましたが、そのようなことを申し上げたつもりはございませんし、言葉としても言った覚えはございません。現実に予算編成過程におきましては、県議会の各党・各会派からご要望いただきまして、それに対して回答しているところでございます。そういう意味で、民主党・無所属クラブの皆様方からもご要望をいただきまして、それに対する回答をさせていただいたわけですが、新聞報道を見る限りその回答に対して一定の評価はいただいたかなとは思っております。  私が申し上げたのは、議会制民主主義のもとに県が何か事業等を実施するためには議会において予算あるいは条例等の形でお認めをいただかなければいけないということでございまして、すなわち県議会において多数の議員の皆様のご賛同をいただくことが必要であるという事実と、それを考慮しないご要望には対応できないということを申し上げたところでございます。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕賢一 委員 なるほどよくわかりました。それであればいいのです。国会においては民主党が同じような主張をされておりますし、そうであってほしいと、県においては今副知事が答弁なさった方針でいってほしいと思っております。  次の質問に移らせていただきます。  今、民主党に政権が変わって、民主党のマニフェストに基づくいろいろな予算が我々の周りで話題になっております。それらの点について、まずダム問題からお聞きしたいと思います。  思川総合開発と私は記憶していたのですが、正式には思川開発という名称に変わったそうでございます。この変わった意味は後で私もお話し申し上げたいと思いますが、思川開発について計画の変遷、どう当初計画から現在の計画まで変わったのか。それと、現計画は今休止状態にあるわけですが、これのB/C(benefit by cost)について、比較のために話題になっている八ツ場ダム、胆沢ダム、湯西川ダムと比べて現計画がどうなのかもお聞きさせていただきます。  それと、これは再質問で申し上げたほうがいいのかもしれませんが、せっかく見直しをするのですから一番最初の計画に戻すという選択はないのか。選択というより、県の立場ですから戻すという意志というのがあるのかどうなのか、これもお聞きしたいと思います。  それと、これは県民にとっては一番重要なことなのですが、これをやめるといった場合にどんな問題点があるのか。例えば県や市の出資金等についてもお答えをいただければと思っております。以上です。 ○渡辺渡 委員長 池田県土整備部長。 ◎池田 県土整備部長 思川開発事業計画の変遷についてお答えを申し上げます。  昭和44年に実施計画に着手し、平成6年に大谷川からの取水を含む当初事業計画が国に認可されました。その後、平成12年の第1回変更で利水者が確定し、平成14年の第2回変更で大谷川からの取水等が中止され、平成21年の第3回変更で東大芦川ダム中止に伴う利水の振りかえが行われ、現在に至っております。  事業の費用対効果、いわゆるB/Cでございますが、国土交通省が本年2月に公表いたしました「個別公共事業評価について」によりますと、思川開発事業は1.3、湯西川ダムは1.5、胆沢ダムは1.7、八ツ場ダムは3.4であります。  続いて、思川開発の大谷川からの取水に伴う当初計画への変更につきましては、新たな課題の発生が懸念されますことから、県といたしましては一日も早く現在の事業が再開されますことを期待しております。  最後に、思川開発が中止された場合の問題点でございますが、治水・利水の効果をダム以外でどのように確保するのか、また現在予定されております生活再建に係る工事をどのように継続して実施するのか、さらにダムに係る支出済みの負担金などをどのように取り扱うのかなどが想定されます。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕賢一 委員 実は私は昭和50年に県議会に当選して、昭和53年に水資源対策特別委員長という職をちょうだいいたしました。その時は東京の大渇水の直後でありまして、当選直後だったと思いますが、当時の鈴木俊一知事が群馬県と栃木県に水行脚にまいりました。水をためてどうしても東京に送ってくださいという水行脚でございます。当時、船田知事、そして議長が鈴木乙一郎先輩でございまして、私も特別委員長という立場で鈴木都知事との会談に同席させていただきました。その当時から私はこの事業に関心を持っておりまして、この事業はどういう事業なのかということを、当時の水資源開発公団の花籠さんという所長を呼んで質問いたしましたら、それでは百聞は一見にしかずですからぜひ来てくださいということで、思川開発事業のモデルになった吉野川開発事業、これは早明浦ダムがメーンのダムで、これは四国4県に水を配水しているダムです。ここを視察いたしまして、なるほどこれはすごいなと思いました。  鬼怒川というのは水量が大変豊富でございます。それに反して思川は水量が非常に枯渇している。ですから思川総合開発当時の計画はこのような計画でございました。大谷川から取水して、滑川というダムに一回上げて、そこから思川水系に流す。この図面ではわかりづらいと思いますので、大谷川の取水というのがどのぐらい大切かということをこの図に基づいてお話ししますと、小さい字で見づらいでしょうが書いてございます。大谷川からの取水は毎秒30トンであります。黒川、それと東大芦川からの取水は毎秒6トンであります。思川総合開発の中で大谷川取水の比率がいかに大きいかということは、この1点だけでも十分に理解ができると思います。  では、なぜ思川総合開発が思川開発になってしまったのか。これは皆さんもご記憶に新しいと思いますが、そのころダムというのは必要ないという当時の今市市の市長がおられまして、この方が先頭に立って大反対をしたがために大谷川取水ということを断念して、総合開発から単なる思川開発に変わったというのが、わかりやすくいえばこの事業の変遷であります。  そこで、皆さんに聞いていただきたいことが2つございます。  1つは、食糧自給率の問題で元の渡辺文雄知事が、このリビングマロニエというのはどこかの新聞の付録なのでしょうか。ここに連載をしている最後の週にこう書いてあります。バーチャルウォーター。私も初めて聞いた言葉なのですが、バーチャルウォーターというのは食糧をつくるために必要な水量ということであります。ご存じのように日本は食糧自給率が40%、輸入が60%ですから、その60%の輸入する食糧に要する水を計算したものをバーチャルウォーターというそうでございますが、我が国の食糧輸入量に必要なバーチャルウォーターの量は1年間におよそ650億トンだそうであります。ちなみに国内で農産物を生産するために必要なバーチャルウォーターは590億トンということであります。食糧自給率を高めるためにもこれからダムをつくっていく必要がある。食糧自給率ということに関心を持てば、今申し上げたように水の必要性は十二分にあるということです。  もう1つ、これは旧建設省の技官を務めた大石久和さんという方が書いた本で「国土学再考」という本であります。皆さんぜひ読んでいただきたいと思いますが、この方がこんなことを言っています。「日本は水は豊富だというふうに皆さん思っているかもしれないが、日本の全部のダムとため池を合わせた貯水量がどの程度のものか」ニューディール政策の目玉のフーバーダムですが、これ1つの貯水量と日本全部のダム・ため池の貯水量と比べると、向こうの1つのダムのほうが多いそうであります。中国の三峡ダムも同様だそうです。ということからすると、食糧自給率の低い日本が食糧自給率を高めようとすれば、今現在の計算では間に合わない。今現在の水の必要量というものをもう一度バーチャルウォーター等を加味して考えなければならないということなので、これは国の事業ですから、部長の立場としても知事の立場としても云々するわけにはいかないと思いますが、こういう共通認識を持てば元の総合開発のほうに変更するということが妥当なのではないかと思いますし、せっかく民主党政府の皆さんがダムの見直しということを言ってくれているわけですから、私が今申し上げたような意見を県の意見として国に進達することも決して不必要なことではない、逆に必要なことなのではないかと思って質問をさせていただきました。  次に、子ども手当についてです。  児童手当とインクルーズされるということでございますが、この関係についてお聞かせいただきたいと思います。  それと、財源についても改めてお聞かせいただきたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 平成22年度の子ども手当につきましては、法律案では子ども手当の一部として児童手当を支給する仕組みとなっております。子ども手当に含まれることとなりました児童手当に係る財源につきましては、これまでどおり国・地方・事業主が負担し、児童手当以外に係る財源は国が全額負担することとなります。  また、4月から児童手当の所得制限が撤廃されることに伴って県の負担が約5億7,000万円増加する見込みでありますが、これに対しては国から地方特例交付金による財源措置が行われることになっております。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕賢一 委員 続いて農家の戸別補償制度についてです。直接補償ということなのですが、県はどのようにかかわるのか。それと、在来の補償制度の存廃。残るのか全部廃止になってしまうのか、それらについても聞かせていただきたいと思います。  これまた、財源及び県の負担についてもあわせてお聞かせください。 ○渡辺渡 委員長 高斎農政部長。 ◎高斎 農政部長 今度導入される米の戸別所得補償モデル事業、それから水田利活用自給力向上事業でございますが、これについての県のかかわり方については、これまでと同様、米の生産数量目標の市町村への配分や制度の周知などを行うこととなっております。  それから、補償制度の存廃でございますが、今の2つの事業の導入によりまして、従来の生産調整を推進するための産地確立交付金などが廃止となります。また、この2つの事業の財源は全額国の負担ということになっております。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕賢一 委員 高校授業料無料化ということも民主党のマニフェストで言っております。これは現物給付で保護者に直接行くそうでございますが、県は全くかかわり合いを持たないのか。それと参考までに聞かせていただきたいのですが、現在県立高校については生徒1人当たりどのぐらい金がかかっていて、保護者の負担はいかほどなのか。これも聞かせていただきたいと思います。  また、無料化を実施するに当たっての財源及び県の負担についてもあわせて聞かせていただきたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 須藤教育長。 ◎須藤 教育長 県立高校授業料の無償化により、例えば全日制高校の生徒の場合、年額11万8,800円の授業料負担がなくなりまして、家庭の教育費負担が軽減されます。  また、このことにより、これまで県が生徒から徴収してきた授業料に相当する額が交付金として国から交付されることになります。具体的な算定方法はまだ示されておりませんが、約44億円の歳入額についてはおおむね変わらないものと見込んでおります。
    ○渡辺渡 委員長 鈴木経営管理部長。 ◎鈴木 経営管理部長 高等学校等就学支援金は、私立学校の生徒の申請に基づき県が資格認定を行い、学校設置者が代理受領することで授業料負担の軽減を図るものであります。就学支援金は年額11万8,800円が原則すべての生徒に、さらに低所得世帯の生徒には所得に応じて2倍額を上限として給付されます。これを年間平均授業料約30万円と比較しますと、授業料負担の約4割から8割が軽減されることになります。  また、就学支援金として予算案に計上しております22億円とその支給に要する経費につきましては全額国庫負担となる見込みでありますが、制度の詳細は未確定のため、今後とも国の動向を注視し、適切に対応してまいります。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕賢一 委員 マニフェストでは、国関連の高速道路無料化をするということでございます。当然、国の高速道路が無料化ということになると、県の有料道路も無料化しろという県民の要望があると予測されますので、これはあらかじめ聞かせていただきたいのですが、仮に県の有料道路を無料化すると、今までどのぐらい受益者負担、いわゆる通行料があって、どのぐらいそのメンテナンスの費用がかかっていたのか。これらについてわかりやすく聞かせていただければと思います。 ○渡辺渡 委員長 池田県土整備部長。 ◎池田 県土整備部長 現在、県内には日光宇都宮道路など4路線の有料道路がございます。これらの料金収入は平成20年度時点で合計約21億円になっております。無料化した場合には料金収入が得られなくなり、建設費の償還あるいは維持管理費のため別途財源確保が必要となります。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕賢一 委員 どこかの会場で知事のお話を聞いておりまして、未来開拓プログラムで約380億円を平成25年までに削減するために3,000の事業を仕分けしたと。380億円の支出を減らすためにこれだけの努力をしているのに、民主党に変わって政策が変更になって、赤字補てんのための起債、財源補てん債というのですか、これを840億円借りなければならないという話がありました。これらは後年度地方交付税で出してくれるということですが、私の経験からいって、国がそう言っても従来の地方交付税に上乗せになって支給をされた、地方交付税がふえたという記憶がないのですが、これらについて知事はどうお考えになっておられるのか。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 今回、平成22年度の当初予算編成に当たりましては、ただいまお話がありましたように地方交付税の代替措置として臨時財政対策債840億円を調達しなければならないと、これはすなわち交付税の先食いであるというお話をいたしました。では交付税は、臨時財政対策債導入が平成13年度でございますので、平成13年度以降ふえているのかという話になるわけですが、臨時財政対策債導入前の平成12年度、そして平成21年度と比較しますと700億弱交付税が減っているという状況でございますので、これから先交付税が大幅にふえるということについては望み薄だと思っております。ですので、交付税算入の法定税率の割合を引き上げて地方を手厚くすべきだという意見を知事会としては申し上げているわけですが、冒頭で委員からお話がありましたように、国も大借金で収入を上回る赤字国債を増発しているわけですから、これまた今の状況ではなかなか難しいのではないかと思っております。 ○渡辺渡 委員長 増渕委員。 ◆増渕賢一 委員 この本をお持ちしました。これは戦後地方自治法をつくった自治省のお役人さんが書いた本で、県議会の図書室に寄贈された本でございます。大森誠二さんという方が書かれた本です。この本の中に行政官、政治家の政策判断基準というのがありまして、できることかできないことか、これをまず判断しろとあります。できることの中で、やるべきこと、やったほうがよいこと、やるべきでないことを判断しろと書いてございます。先ほどご答弁をいただきましたダムから高速道路無料化の問題を私がこの基準で評価をさせていただきたいと思います。冒頭の国の財政事業ということを念頭において聞いていただきたいと思うのです。  まず、ダム。これはやめると言っていますが、やるべきことではないのかということでございます。その次は子ども手当。これは2番目のやったほうがよいこと、できればやったほうがよいことの部類ではないでしょうか。しかし、財政事業を考えるとやれない事業と判断できるのではないでしょうか。それと農家の戸別補償問題。私も勉強させてもらいましたら、従来の政権の幾つかの分かれた補償制度と今回一緒にされた補償制度と大同小異と私は見受けました。これは農家の混乱を避けるためにはやらないほうがよかったのではないのかなと、こう思います。それと、高速道路も同様であります。私は道路について興味がありまして、池田部長が次長時代にメンテナンス費用について聞いたことがあります。全県道割る県道の延長距離ということでやりまして、2人の間で大体主要道路ではキロ当たり300万円ぐらい年間メンテナンス費用がかかるという、結論になりました。そういうことを考えますと、高速道路を無料化する、例えば日光宇都宮道路はキロ当たり500万ぐらいかかるでしょう。あれは30キロぐらいあるでしょうか。500掛ける30というとどのぐらいの金が必要になるかということがわかります。こういうことを考えれば、高速道路もむしろ無料化はしないほうがいいという結論に私はなります。  そこで、県知事や、我々の議会には議長がおります。おのおの知事会、議長会で今私が申し上げたようなことにご納得がいかれましたら、ぜひとも私の発言の趣旨に沿って国に対して働きかけていただきますよう心からお願いを申し上げまして、私の質問のすべてを終了させていただきます。ありがとうございました。 ○渡辺渡 委員長 以上で増渕賢一委員の質疑は終了いたしました。  続きまして、発言通告者に対し、発言を許可いたします。  渡辺直治副委員長。 ◆渡辺直治 副委員長 無所属県民クラブの渡辺直治であります。  この議会は、さきの本会議で、予算の組み立て方、あるいは政策の執行に当たっての政策経営会議のあり方などについて、質問をさせていただきました。それぞれ、執行部より考え方ついては十二分な説明もいただきました。本日のこの予算委員会では、時間も限られておりますので、質問テーマを絞って地域医療の政策ととちぎの元気な森づくり県民税の問題に絞って質問をしたいと思います。  まず、国の事業であります地域医療再生計画のうち県南保健医療圏に関して、小山市民病院の位置づけなどにつきまして最初に質問させていただきます。  小山市を初め県南地域においては、県南保健医療圏における医療機能の充実を図る上で、小山市民病院と下都賀総合病院の経営統合を期待する声があります。昨年の9月定例会本会議において、両病院の建てかえに伴う経営統合等について板橋一好議員より質問があり、これに対する回答で麻生副知事からは、「公立病院と民間病院との統合のため受け皿をどうするかということはなかなか難しいということ、また今の下都賀総合病院の現状で統合ということになると医師の流出が続いている中でなかなか難しい状況であるということ、それらを含めて、単独の建てかえも含めて現在小山市と協議を進めている」、こういうご答弁をいただいたところでありますが、この小山市との協議がどのような結論に至っているのか、あるいは結論が出ているのか、地域住民といたしましても、関係者の関心は非常に高いものがあります。  そこで、質問の1番目でありますが、現時点での小山市との協議の状況について麻生副知事にお伺いいたします。  また、県では昨年11月に県南保健医療圏に係る地域医療再生計画を国に提出し、25億円の地域医療再生臨時特例交付金が認められたところであります。この交付金が当初想定した100億円から25億円に減額されたことに伴い、本定例会では地域医療再生基金積立金の減額補正の予算が上程されております。交付金が25億円に減額されたことにより、県南保健医療圏における小山市民病院の位置づけについても影響があるのではないかと私は危惧してるところであります。そこで、県南保健医療圏における小山市民病院の位置づけについて、あわせてお答えをいただきたいと思いまして質問いたします。 ○渡辺渡 委員長 麻生副知事。 ◎麻生 副知事 協議の経過でございますが、県南保健医療圏の地域医療再生計画を策定するに当たりまして、小山市から小山市民病院と下都賀総合病院の統合の提案がございましたが、統合後の受け皿の問題や職員の身分の取り扱い、新栃木市の合併を控える中で国への計画提出期限が迫っていたということなど難しい課題や状況もあり、小山市初め関係者と協議を重ねてまいりました。  こうした協議の過程で、下都賀総合病院及びその地元市町などの意向が下都賀総合病院の単独整備であったこと、小山市の提案がある面では急なものであったこと、また国において予算執行の見直しが行われ100億円の地域医療再生計画が大幅に減額となったことなどもありまして、小山市から最終的に小山市民病院について単独で整備するという方針が示されたところでございます。この点につきましてはご理解を賜りたいと思います。  その結果、県南保健医療圏の計画において小山市民病院と下都賀総合病院をそれぞれ単独で整備し、適切な機能分担を図りながら、病院間の連携あるいは病院と診療所間の連携などの取り組みを推進することといたしました。現在、両病院や地元市町等において、詳細なスケジュールを含め、それぞれ具体的な整備計画の検討を進めているところでございます。小山市民病院は、下都賀総合病院とともに地域医療を支える上で救急医療を初め重要な機能を担う県南地域の中核病院でございますので、新年度設置する地元医師会や自治・獨協の両大学、地元市町の代表者などで構成する地域医療再生コンソーシアム、これは県が設置するものでございますが、このコンソーシアムの中でのご意見や議論を踏まえながら、今後県として必要な支援をしてまいります。 ○渡辺渡 委員長 渡辺副委員長。 ◆渡辺直治 副委員長 再質問させていただきます。  麻生副知事、国に出した地域医療再生計画では、それぞれを単独で整備とは計画書を読んでもなかなか読み解けなかったわけですが、今のお答えですと「今後は単独でそれぞれが」という再生計画を立てている。要は栃木エリアは栃木の病院を、小山エリアは小山市民病院をそれぞれ再建させて地域医療に貢献させていくと、ちょっと畳みかけるようですが、そういう考え方でよろしいですか。 ○渡辺渡 委員長 麻生副知事。 ◎麻生 副知事 この再生計画については県南地域の保健医療計画、保健医療圏の地域再生の計画でございまして、建物は確かに小山市民病院が単独で建てます。下都賀総合病院も単独に建てます。しかし、それぞれが別々に動いていたのでは保健再生計画になりませんので、下都賀総合病院の建てかえ、それから小山市民病院の建てかえ、それとあわせて両病院間の連携、あるいは病院と診療所間の連携、それともっと突き詰めていけば福祉や医療との連携を、この中で計画を定めていきたいということでございますのでご理解をいただきたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 渡辺副委員長。 ◆渡辺直治 副委員長 要は、2つの病院があって連携をさせていくというのは今までだってできるわけです。ところが、下都賀総合病院には下都賀総合病院固有の問題、例えば老朽化あるいは狭隘化、経営難といった問題があり、小山市民病院にも似たようなことがあるわけです。  そういうことはあっても、地域医療圏の再生を行うためには連携の中で地域の県民のために医療提供の安定が必要だから、国の計画にのっているわけですよ。それはわかるのです。ところが、実際、例えば栃木エリアでは、ことし栃木市と下都賀の町の合併の問題等々もあって、社会情勢が変わることも予想されるわけですよ。そういう中で、本当にここに言っているように、例えば計画の中の小山救急医療圏について2次救急を中核したということで小山市民病院にはやってもらいたい、その中に周産期医療、小児医療、2次救急医療、特にこの計画――この計画というのは25億の計画――がなされた場合には、生活習慣病予防医療、医療、保険、介護、福祉等の中核機能をこの小山市民病院には持ってもらいますよということですよね。  ところが、本当にそういう個別にいった中でこのことができるのかどうなのか、非常に心配なものですから、そこのところをもう一度お答えいただけますか。 ○渡辺渡 委員長 麻生副知事。 ◎麻生 副知事 ただいまお答え申し上げましたように、そういう計画で現在進めておりますが、その計画を具体的に詳細に、例えば両方が運営していく上でいろいろな問題点があります。そういった問題を行政も含めて、大学の先生方も含めて、それから医療関係者も含めて、またもちろん県が設置するわけですから県も含めて、医療再生コンソーシアムというものを設置します。その中で具体的に今検討しているということになります。よろしくお願いします。 ○渡辺渡 委員長 渡辺副委員長。 ◆渡辺直治 副委員長 それでは、先に進めながら、また議論もいただきたいと思います。  小山市民病院は、非常に老朽化、狭隘化、いろいろな問題があります。そういうことで改善をしていくわけですが、この2次医療圏での貢献度というのは、例えば自治とか獨協とかという高度医療の提供のところの負担を少なくするためにも、今までも貢献をしてきているわけです。したがって、市民病院がこの計画の中で平成25年着工、平成27年度完成という整備計画を進めているわけでありますが、医療機能を強化するという意味で、この小山市民病院の建てかえ計画に対して、国の方針とは別に、県はどういう支援計画を立てようとしているのか、その考え方もお聞きしながら議論をしていきたいと思いますので、お願いいたします。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 小山市では、新年度には市議会、大学病院、地区医師会及び市民などの代表による小山市民病院建設懇話会を設置し、同病院の移転整備に向けた基本構想の策定等を進めていくと聞いております。  県では地域医療再生計画を円滑に推進していくために、県南地域医療再生コンソーシアムを設置の上、小山市民病院及び下都賀総合病院が果たすべき医療機能等について協議し、医療圏全体の2次医療機能の充実強化等が図られるよう努めてまいりたいと考えております。  小山市民病院の移転整備につきましては、このコンソーシアムでの議論や小山市の検討状況等を参考にしながら地域医療再生基金を活用するなどして、適切な支援に努めてまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 渡辺副委員長。 ◆渡辺直治 副委員長 お答えをいただきました。  今まで栃木県内のいろいろな地区において、例えば県北であれば大田原赤十字病院とか塩谷病院とか、あるいは足利であれば足利赤十字病院とか、地域医療を支えるためにそういう3次、2次含めての地域医療に貢献する病院に対しては一定の支援をしてきております。したがって、当然、県内医療圏の中の小山市民病院に対しても、具体的な計画で具体的な金額というのはなかなか今お答えはないだろうとは思いますが、国の事業として今の地域医療再生計画はありますが、と同時に県は県としての考え方も持たなければいけないのだろうと思うわけであります。  ついては、小山市民病院ではこの地域医療計画とは別に、非常に老朽化している、あるいは経営的には問題がある、病床の利用率の問題もあるということを含めて、小山市民病院改革プランというものを策定しようとしております。  大ざっぱに出ている点では、私も目を通しましたが、平成23年を目標に経常収支の黒字化を図ろうとしております。当然、これは病床の利用率を上げることが大きなものになるわけですが、こういう小山市の取り組みとも十分に連携をし、全体の地域医療計画との整合性にも合ったような地域医療圏の計画は進めるべきと思いますが、これら小山市の改革プランとの関係において、県では今後どういう考え方を持って部長は進められようとしているか、保健福祉部長にお願いいたします。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 小山市民病院の改革プランと整合性を持った取り組みというのは、ぜひとも必要だと考えております。現在、小山市では、この改革プランは平成23年度までで、この改革プラン中は例えば増改築はしないとされておりますが、小山市では市民に対する医療サービスの充実を早期に図るという観点から、この移転整備について、先ほど委員ご指摘のとおり、平成25年度着工、それから平成27年度に開院というスケジュールで進めるということになったことから、県内保健医療圏の地域医療再生計画におきまして小山市民病院の移転整備を盛り込んだところでございます。  このような中で、この改革プランと地域医療再生計画の関係ですが、それぞれ策定時期が異なるといったこともありますので、現段階では、一部整合性が図れていないところもありますが、今後、小山市で設置される小山市民病院建設懇話会といった場を活用しながら、改革プランの見直しを行う予定と聞いております。引き続き、小山市との連携を密にしながら、小山市民病院の円滑な移転整備と運営が図られますよう、適切に支援してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 渡辺副委員長。 ◆渡辺直治 副委員長 地域医療再生計画と、栃木、小山における拠点病院の経営状況あるいは改革案というのが、5年とか7年とかというスパンではありますが、たまたまこうして重なってきているわけですので、地域になくてはならない県民の安全のためにも必要な政策ですので、ぜひ整合性をとりながら、後でまた議論をするときは、ではそのためにどういう予算を措置してくれるのという話はまた後でいたしますが、ぜひ市は市としての改革プランを立てて努力をするわけですから、県も応分の指導的な立場と同時に整合性のとれた計画というものを打ち出していただきたい、これを強く要望しておきたいと思います。  次に、とちぎの元気な森づくり県民税事業についてお伺いいたします。  県では平成20年度からとちぎの元気な森づくり県民税事業を導入いたしまして、森林の持つ県土の保全や水源の涵養、地域温暖化防止など、公益的機能の維持増進を図っているところであります。  そして、昨年9月には、とちぎの元気な森づくり県民税事業評価委員会による平成20年度に実施した事業の評価結果が公表されております。この評価において、すべての事業はおおむね効果的、効率的に執行されていると認められるところであります。特に、奥山林整備事業は2,050ヘクタールの整備計画に対して、これを上回る2,078ヘクタールの整備実績となっており、事業評価やこの2年間の取り組みを見る限りにおいては順調な足取りで進められていると考えます。  しかしながら、事業の実施期限である平成29年度を見据えた場合、果たしてこのまま順調に進むのか、私は一抹の不安を持ちます。  そこで、奥山林整備事業の計画に対する今後の見通しについて、環境森林部長にお伺いいたします。  また、評価では奥山林整備事業において、将来の自発的森林管理を促すための作業路等の整備を進めるよう指摘をされておりますが、どのような改善策を講じていくのか、あわせてお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 三浦環境森林部長。 ◎三浦 環境森林部長 とちぎの元気な森づくり県民税による奥山林整備事業は、本年度もおおむね順調に進捗しているところでございます。  ご質問の平成29年度を見据えた見通しについてですが、事業実施2年目ということもあり、現段階では不確定な点もございます。事業を実際に実施しましたところでは、例えば森林の境界確定に時間を要するなどの課題もございます。これらの課題に対処していくとともに、要望の多い獣害対策を実施するなど、所有者の理解を得ながら目標達成に向けて取り組んでいるところでございます。  次に、評価委員会を初め各方面から、きり捨て間伐中心の事業内容につきまして、間伐材の有効利用や作業路の必要性など、森林整備の質的向上を図るよう指摘あるいはご提言をいただいているところでございます。  特に作業路の整備につきましては、間伐材の有効利用と一体的に検討していくことが必要と考えており、このため新年度から森林バイオマス利用モデル事業を実施し、課題の検証を行うこととしております。  また、国におきましても森林・林業再生プランに掲げた作業路整備の強化につきまして、現在その具体的な検討がなされているところであります。県といたしましては、モデル事業の結果や国の動向も見きわめながら作業路の整備について検討してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 渡辺副委員長。 ◆渡辺直治 副委員長 森林環境部長、平成20年に始まって、平成21年やって、平成22年、ことしで3年目、3分の1行こうとしているわけですね。予算のヒアリングとかいろいろな機会をとらえてお話をしているのですが、とりあえず平成20年とか平成21年とかというのは奥山林といっても比較的入りやすいところを事業としていた。とりあえずやりやすいところからやっていくというのも一つの手法ですから、それはいいのですが、ですから順調にいっているが、本当にこの税を設置してやるべき奥山林の整備というのはやりにくい部分があるわけですね。ですから、このピッチでいって前半3分の1は順調にいったが、残りの3分の2は本当に残りの期間で大丈夫なのかということがないように、ここではさらに言っておかなければいけないと思って、この質問もそういうところを当てて聞いているわけですよ。  きり捨て間伐ですから、なかなか運び出せないということもあって、だから作業路をつくらなくてはだめですよというのは、この評価書を見ても、他県のヘクタール当たりの金額と比べてみても、今のところ栃木は安いのですよ。私、いっぱい質問の中でもしていますが、そういう事業というのは政策の中で評価をしながら次に何をするかということは必要ですよと申し上げているわけですね。ですから、これは比較をしたところではやっぱり作業路が他県に比べて栃木県の場合には手をつけていない部分があるから、コストが今のところは安いのだとなっているわけですね。この辺の考え方について、部長、いかがですか。 ○渡辺渡 委員長 三浦環境森林部長。 ◎三浦 環境森林部長 確かに委員ご指摘のとおり、他県の同種の事業と比べますと、栃木県の場合は整備内容がきり捨て間伐に特化していることで費用が安いということは事実でございます。  また、今、委員がおっしゃられましたように、だんだん山が深くなっていくと入っていくのも大変になると、そこで計画どおりできるかどうかという問題も出てこようかと思います。その場合に、作業路といったものを入れていきますと、それを入れることによって作業がしやすくなるのも事実であろうと思っております。  そういった意味で、特に間伐材の有効利用とあわせて、来年度におきましてバイオマス利用間伐を行うわけですが、これですと費用がかなりかさむことになるわけでございます。私どもといたしましては、これをモデル事業として県内のいろいろな条件があるところで実施して、その現場につきましてそれぞれ手間を含め、いろいろな観点からの評価をした上で、今後の特に奥山林整備のあり方について検証していきたいと考えているところでございます。 ○渡辺渡 委員長 渡辺副委員長。 ◆渡辺直治 副委員長 再度お聞きしますが、これは平成20年度ですから、ヘクタール当たり18万1,000円、他県では27万3,000円という数字が出ているのです。先ほど言ったように、作業路の整備というのが栃木県では少ないからだということになっております。  そこで、せっかくバイオマス発電を考えて、その利用をしていくということになれば、計画的にきり捨て間伐も使っていくという考えがあるわけですから、このことについて、平成21年に比べて平成22年は、例えば間伐は35%の割合でやっていきますと言っているのですが、そういう率だとして、どの程度作業林に対しての整備をもくろんでいるかをお聞かせいただけますか。 ○渡辺渡 委員長 三浦環境森林部長。 ◎三浦 環境森林部長 平成22年度のモデル事業でございますが、これは面積的には36ヘクタールを予定してございます。一部実施が決まっている場所もございますが、これからの部分もございまして、県北――県央は余りないのですが、ある程度地域バランスをとりながら、やっていきたいと考えているところでございます。  その際には、やはりバイオマスとして利用する場合は燃す施設、利用する場所とそこから山までの距離とか、それから山の状況、既にある程度林道が入っているところからさらに道路さえつくれば入れるところ、それからまだ林道もないところとか、いろいろな条件を設定した上で、平成22年度実施して、こういうところであるならばバイオマス利用が適している、あるいはこういう条件のところではとてもできないから、きり捨て間伐をやる 以外にないのだとか実地に検証していきたいと思っております。 ○渡辺渡 委員長 渡辺副委員長。 ◆渡辺直治 副委員長 1点要望して、1点再質問させていただきます。  せっかくそういうバイオマスでの発電計画があって、ある資源を利用していこうという考え方でやっていくわけですから、山林の所有者というのは入り口から奥山まで持っている、きり捨てだと手前のところ、あの人のところはやられているというのは嫌がるものですから、ぜひそういうところは理解していただけるような作業林の入れ方等、しっかり考えてお願いをしたいと思います。  それから、再質問なのですが、いわゆる認知度の問題です。この事業そのものの認知度が私たちも当初からPRが悪い、事業税そのものよりも使われる方、使った後県民がどのぐらい知っているかというアンケートを見ても、この税を知っているというのは8.8%ぐらいだと言われているわけでございます。  ことしは県でも各イベントやこのことについて努めると言っておりますが、広報活動等、県はこれらのPRについてどのような考えを持っているか、ひとつ部長のお考えを聞かせてください。 ○渡辺渡 委員長 三浦環境森林部長。 ◎三浦 環境森林部長 確かに、税事業を今後進めていく上で県民の皆様によく内容を知っていただくことは大切なことであろうと思っております。私どももいろいろな方法で努力はしておりますが、委員ご指摘のような状態であることもまた事実でございます。  そういったところも踏まえて、今年度は一つには間伐材を利用して木製のベンチをつくり、森づくりのシンボルマークがあるわけですが、こういったものを焼き印で押すなり、そういったことを標示した上で、余りふだん山に行かれない方にも税というものを知ってもらうことを考えております。  それから、やはり現地を見ていただくことが一番必要と思っておりますので、ことしも一部実施しましたが、こういった間伐の現場を一般の方にも見ていただいて、そこでこの税を使ってどういう作業をされているか、そういったバスツアーについても実施していきたいと考えております。  そのほか、いろいろな広報手段を使い、引き続き税の普及啓発について努めていきたいと思っております。 ○渡辺渡 委員長 渡辺副委員長。 ◆渡辺直治 副委員長 ぜひ大議論をして、本当に多くの方にご協力をいただいている時限立法の税でございます。その貢献の仕方も確かにこういう財源状態になってきて、なかなか本来の国からの補助事業では手がつかないところを手をつけているわけですから、2年たって3年目にイベントをやってアンケートをとっても一けた台の認知度ではやっぱりまずいのではないかと私は思いますので、ぜひもっとPRをしていただきたいと思います。  山がない小山市の私がこのことを聞くのも皮肉なのですが、この税には協力をしているわけですよ。そして加えて、里山にもこれは使われているということもあるものですから、町中も里山も所有者である山林の方も、本当に県民が一致して協力をしながら県土をよくしていくというのは、新しい県民の協働の行動を知事が先頭になってやっていくということで意気を示しているところでありますので、ぜひひとつ力強い進め方をお願い申し上げまして、私のすべての質問を終了いたします。ありがとうございました。 ○渡辺渡 委員長 以上で、渡辺直治副委員長の質疑は終了いたしました。  この際、休憩したいと存じます。  午後2時30分から再開をいたします。  休憩いたします。                午後2時20分休憩           ────────────────────
                   午後2時30分再開 ○渡辺渡 委員長 委員会を再開をいたします。  引き続き、総括質疑を行います。  発言通告者に対し発言を許可いたします。  岩崎 信委員。 ◆岩崎信 委員 自由民主党議員会の岩崎 信でございます。  通告に従いまして、3点ご質問をいたします。  まず初めに、とちぎの子ども育成憲章についてお伺いをいたします。  子供たちの健全育成という観点から何人ももう質問をされていますが、これは新しい、今年度から始まる憲章ですね。先月の2月に制定をされました。平成19年に県議会の特別委員会も提言をいたしましたし、また県民の代表の皆さんが選定委員会をつくって策定をしていただきまして、その努力に感謝をしたいと思うのです。  私、これを読ませていただいて、大変立派な、そして格調高い憲章ができ上がったと喜んでいます。今、私たちが置かれている状況、政治も経済も社会状況も非常に激動しています。やはりこういう中で、私たちはもう一度立ちどまって、自分の生き方、そして価値観、そして地域とのかかわり方というものを見詰め直す時期だろうと思うのです。  そういう中で、この憲章が制定されたということは時代の潮流にも合っており、その意義は大変大きいものがあると思います。この憲章は、県民一人一人が次の時代を担う子供たちの健全な育成のために、私たち大人が自覚を持って子供たちのために何をすべきか示したものだと思うのです。  皆さん知っていると思いますので、前文は省略いたしますが、この憲章、「わたしたちは」――これは大人ですね、私たち――「わたしたちは子どもたち一人ひとりを尊重し 命を大切にします」、「わたしたちは子どもたちとのかかわりを深め 思いやりの心をはぐくみます」、「わたしたちは子どもたちとともに学び 喜び 励ましあい 社会の一員としての自覚を育てます」、「わたしたちは一人ひとりが子どもたちの手本となるよう行動します」、「わたしたちはとちぎの豊かな自然 伝統 文化を守り 子どもたちに引き継ぎます」とあるのですね。  これは子ども育成憲章というよりも、私は大人の責任役割憲章と呼んだほうがいいのではないかと思っています。今読んだ中にありましたね。「わたしたち大人は一人ひとりが子どもたちの手本となるよう行動します」という1文がありました。私は毎朝、仏壇の前に立って、ご先祖様に手を合わせ……(「座ってだろう」の声あり)座って、そして神棚の前に立ってこうべを垂れるとき、きのう1日、そういう手本となるような行動ができたのかなといつも思い悩む日々であって、この憲章に書いてあることがすべて実現できればすばらしい子供たちが栃木県に誕生して、すばらしい栃木県になると思っております。  しかしながら、この憲章を県民の皆さんに広く周知し、確実に浸透させ、実現させていくためには、今回の予算1,200万円ぐらいありますが、予算にある単なる憲章の掲示や啓発にとどまるだけでは不十分だと思うのです。このすばらしい憲章を実りあるものにしていかなければなりません。  そこで、県はこの憲章を県民に対して浸透させていくために具体的にどのようにしていく考えなのか、県民生活部長にお伺いをいたします。 ○渡辺渡 委員長 荒川県民生活部長。 ◎荒川 県民生活部長 とちぎの子ども育成憲章には子供たちに向けたメッセージも含まれておりますが、第一義的には大人の行動指針として制定したものでありますので、まず県民に内容をよく知ってもらい、それから行動につなげてもらうことが重要であると思っております。  このため、新年度は安心こども基金を活用し、保育所や学校のすべての保護者へのチラシ配布、公共施設等における憲章の掲示、県域メディアを活用した普及啓発等に積極的に取り組むこととしております。  また、市町村、関係機関・団体、企業などの協力を得ながら、子育てや青少年育成に係る催し物あるいは集会等の機会に必ず憲章を参加者全員で復唱してもらえるよう主催者に要請するなどして、この憲章の浸透と実践につなげてまいりたいと考えております。  さらに、この憲章の普及と実践を継続的な県民運動とするため、新年度に策定予定の次期青少年プランに位置づけることとし、効果的な運動手法についても検討してまいる考えであります。 ○渡辺渡 委員長 岩崎委員。 ◆岩崎信 委員 積極的な答弁をいただいたと思います。やはり県民の歌などは本当にみんなで歌っているから浸透していると思うのですが、これはつくっただけでなかなか浸透できなくては何もならないと思うので、しっかりとやっていただきたいと思います。  そこで再質問です。これは教育委員会にも関連してくると思うのです。このすばらしい憲章をつくって、教育委員会としては具体的にどういう対応をする考えがあるのか、お伺いしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 須藤教育長。 ◎須藤 教育長 大変すばらしい憲章であります。こういったものを行動に移すためには、まず校長初め教職員がなぜこのような憲章を必要とするのか、その背景は何か、そしてどういう子供像を目指すのか、十分にそれを理解し、そして保護者にそれをしっかり啓発し、行動連携に持っていくことが大切であると思っております。  学校教育の中では、今、23年度からの次期教育振興ビジョンの準備に入っております。私ども教育委員会としましても、そこで本県の目指す子供像、教育で目指す子供像を策定したいと思っておりますので、この憲章をそこにリンクさせていきたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 岩崎委員。 ◆岩崎信 委員 大変ありがとうございました。やはり、この憲章をつくってどう行動していくかということが大事だと思うのです。先ほども渡辺直治副委員長の質問で、とちぎの元気な森づくり県民税事業は知っている人が8.8%しかいないというのでしょう。これなどはもっと少なくなってしまいますから、もっとしっかりやってもらわないと、つくっただけでだめだということになってしまいますから。仏つくって魂入れず。しっかりとした行動において魂を入れていただきたいと要望しまして、次の質問に移ります。  次に、文化財の保護についてお尋ねをいたします。  今議会の代表質問で我が自民党議員会の、私が尊敬をしております野田議員が次代を担う青少年の育成についてという質問の中で、「今に生きる私たちは歴史の最終ランナーではないのだ、中間ランナーなのだ。だから次の時代へ命をつないでいく責任がある」とおっしゃいました。また、公明党・新政クラブの小高議員は、「景観というのは10年だ、10年かかればできるのだ。風景は100年かかるのだ。風土は1,000年かかる」とおっしゃいました。私も同感です。私たちはこの長い歴史の中の一瞬をつないでいるわけです。先人たちがその暮らし、営みの中で自然に対する祈り、収穫に対する感謝、そういうもろもろの中から生まれてきた文化財、郷土芸能というものをしっかりと次の世代に引き継いでいかなければなりません。  そこで、今回はその文化財の保護ということに限ってお尋ねをいたします。先ほどの子ども育成憲章にもありましたね。「わたしたちはとちぎの豊かな自然 伝統 文化を守り、子どもたちに引き継ぎます」という1文がありました。文化といっても多岐にわたりますが、その中で最近県指定の文化財において建造物の補修にお金がかかるという経費の負担面や、それを直す技術者が不足していて非常に苦慮していると聞いております。  文化財というのは所有者だけのものではありません。私たちみんなの財産ですから、しっかりとこれを守っていく責任があります。幾らお金がなくてつらい時代であっても、またこういう変化の激しい時代にあっても、私は変えてはいけないもの、しっかりと守り伝えていかなければならないものがあろうと思うのです。それはやはり先人たちがつくってきた文化や郷土芸能なのです。  県のさまざまな施策の中で、未来という言葉がたくさん使われていますね。未来、私も大好きな言葉です。未来開拓プログラム、とちぎ未来大使、とちぎ農業未来塾、たくさんあります。未来は明るくなければなりません。未来にしっかりとつないでいく心、姿勢を持つことが、先ほども言ったようにとちぎの子ども育成憲章の実践にもつながると思っております。  しかし、これら文化財の保護に関しては、予算は年々縮小してきております。県指定の文化財に対する補助金だけ見ても、平成10年より前、7年、8年、9年と、そのころは1億5,000万円ぐらいあったのですね。しかし、今回の平成22年度の当初予算を見ると、2,300万円ぐらいなのですね。文化財の屋根が壊れてしまったから直しても、物によっては4,000万円も5,000万円もかかるというのでしょう。やはり所有者はこの補修を行いたくても、経費の面でなかなか大変なので直すことができないという状況にもあると聞いております。県内の文化財を保護し切れずに消え去っていくようなことは何としても食いとめなければなりません。  そこで、県は後世に継承していくべき県の文化財の現状をどのように認識しているのか、教育長にお伺いいたします。また、このように厳しい予算の制約がある中で、多額の補修経費を要する文化財の保護を今後どのように講じていくのか、あわせて教育長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 須藤教育長。 ◎須藤 教育長 本県の文化財につきましては、所有者を初めとする地元関係者の熱意に支えられ、今日まで多くがその価値を損なうことなく守り伝えられてきているところでございます。  しかし、文化財の所在する地域の多くでは過疎化、高齢化が進行しており、また経済情勢の悪化等も影響し、地域での保存は困難を伴いつつあります。そのような中にあっても、関係者団体や個人所有者は費用の工面等に苦慮しながら、懸命に保存に取り組んでいただいているところでございます。  そうしたことを踏まえ、県といたしましては今後とも限られた予算の中ではありますが、民間財団といったものの助成等も活用しながら地元市町村や所有者等と緊密な連携を図りつつ、貴重な文化財を後世に引き継ぐべく、その保護に全力を尽くしてまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 岩崎委員。 ◆岩崎信 委員 積極的なご答弁だったと思います。  所有者と連携をとってやってもらいたいと思うのです。やはり所有者はお金がかかるから、なかなか修理の申請を出したくてもちゅうちょしているのではないかと私は思うのです。いろいろなところへ行くと、わら屋根などの文化財で屋根あたりにブルーシートがかかっているのです。「どうしたの」と聞くと、所有者、個人もいますが、神社仏閣で持っているのも多いと思うのですが、それを直すのにもやはり氏子だったり檀家だったり、そういう人が寄附を出してやるわけですから、なかなかこういう状況では厳しいので、そういう所有者の方と連携を密にしてこの文化財の維持のために努力をしていただきたいと思うのです。  この間も、栃木県郷土芸能保存協会――先ほど観光カリスマという話もありましたが、茂木の石川さんという方が会長をやっている――未来に伝える郷土芸能シンポジウムというのに行ってまいりましたが、そういうみんなで守っていこうと頑張っている方がいらっしゃるわけです。ですから、そういう方にもしっかりと目を向けてやっていただきたいと思うのです。  県民の歌の中にもありますよね。3番、「けんらんの文化にはえて とこしえに若さあふるる」。こういう状況をつくっていただきたいと思うのです。  それでは、これはこの辺にいたします。  次に、3点目として、高等学校における中途退学の未然防止の取り組みについてお尋ねいたします。  今年度、新たに中途退学未然防止事業という予算が計上されました。金額は少ないのですが、中途退学の未然防止をやるという事業が計上されました。きょうは金曜日ですね。来週の月曜日、火曜日、8日、9日、これは県立高等学校の入学試験です。そして、12日は合格発表ということで、多くの生徒たちが各高校に大きな夢と希望を持って入学をする季節になりました。桜咲く季節になりました。  しかしながら、昨年8月、文部科学省が公表いたしました平成20年度の調査によりますと、本県の高校生の中途退学率は、県立・私立合わせてではありますが、全国でワースト2位という憂慮すべき事態であります。特に、県立高校においては中途退学者が平成18年で904人、平成19年で870人、平成20年で874人となっており、多くの生徒が途中で高校生活を断念するという結果になっています。この要因はさまざま複雑に絡み合って、どれか一つということではないと思うのです。  高校は義務教育ではありませんから、在学中に新たな目標や人生設計を持って進路変更をしていく生徒もいるとは思います。平成20年度の調査では、そういう方が中途退学者の3割以上いるということで、これは新たな人生を歩むということですから、それはそれとしていいことだろうと思うのです。  しかし、現実はこれらのケースだけでなくて、在学する学校になじめないとか、あるいは入学の段階で望まない進学をしたとか、いろいろこういう学校不適応による中途退学のケースが4割以上あると聞いております。これは単に高校だけに原因があるとは私は思っていません。中学校から高校に進学する段階での進路を決めるときの対応にも原因はあろうかと思うのですが、いずれの場合も高校における指導体制の充実、高校と家庭の連携によってある程度は防止できるのではないかと思っています。  そこで、全国的に見ても中途退学者の多い本県の現状をどのようにとらえているのか、教育長にお伺いいたします。また今後、中途退学の未然防止に向け、どのような具体策を展開していこうとしているのか、あわせて教育長にお尋ねいたします。 ○渡辺渡 委員長 須藤教育長。 ◎須藤 教育長 中途退学につきましては、学校生活への適応指導はもとより、生徒からの退学の申し出があったときには、保護者も含め、当該生徒の将来を考えながら慎重に対応するよう努めているところでございます。  しかしながら、県立高等学校の中途退学率につきましては、全日制では全国平均を下回っておりましたが、ここ数年その差が縮まりつつあり、また定時制では全国平均を上回っている状況にありますことから、その未然防止は喫緊の課題ととらえているところでございます。  そこで、新年度は県立高校生の学校生活、特に適応にかかわる意識調査や各学校からの事例の聞き取り調査などを実施して、それらを分析し、中途退学防止に向けた指導資料づくりに努めてまいりたいと考えております。  今後とも、学業指導やさまざまな不適応解消のための取り組みにより、一人一人の子供を大切にした、各学校での実践を支援してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 岩崎委員。 ◆岩崎信 委員 再質問します。今回新しく聞き取り調査をやるということで、これはそれとしてしっかりとやっていただきたいと思うのですが、現実に中途退学が高校によってかなりばらつきがあるのではないかと思うのですね。多数に上る中途退学がいる高校については、教員の配置等によって指導体制の充実強化も図っていくことが重要ではないかと思っていますが、その点について教育長のお考えをお尋ねいたします。 ○渡辺渡 委員長 須藤教育長。 ◎須藤 教育長 非常に大切なことと私も考えております。そこで、年度末、次年度の人事異動に際して、校長から聞き取りをやりまして、加配とか、または力のある先生を特に向けるような配慮はしておるところではございます。 ○渡辺渡 委員長 岩崎委員。 ◆岩崎信 委員 高校生あたりの年代は大きな夢と希望を持ってこれからどう進もうかという時代ですから、中途退学をするような生徒が1人でも少なくなるように、しっかりと教育委員会としてもご努力をいただきたいと思うのです。聞き取り調査を平成22年度でやっていただけるというので、その成果にも期待を申し上げたいと思います。  質問は以上で終わりました。3点について質問いたしました。とちぎの子ども育成憲章、そして文化財、高校の中途退学の未然防止ということについてお尋ねをいたしました。やはり、未来に向かってしっかりと、どういう栃木県をつくっていくのかということはお互いの使命であり、私は大事なことだなと、未来は明るくなくてはいけないのだと思うのです。栃木県の未来は私たち一人一人の心の中にあるのです。ぜひとも、その心を一つにして、しっかりとした明るい未来をつくっていこうではありませんか。  私の質問はこれで終わります。 ○渡辺渡 委員長 以上で、岩崎 信委員の質疑は終了いたしました。  次の発言通告者に対し、発言を許可いたします。  野田尚吾委員。 ◆野田尚吾 委員 自由民主党議員会の野田でございます。総括質疑、最後になりました。  最初にまず、ドクターヘリ導入についてお伺いいたします。  既に本会議で五月女議員からも質疑がありました。自由民主党議員会にはミスター・ドクターヘリと言われる花塚議員がいます。議会の質問のたびに、導入を急げと繰り返し主張してまいりました。  そして、ついに昨年の議会でドクターヘリ導入促進事業費の予算が提案され、白熱した議論が展開されました。ドクターヘリを導入せずに防災ヘリを活用したほうが、ドクターヘリの機能を持ちながら経費が節減されると他県の例などを出しながら、予算の修正動議も出されましたが、議会はこれを否決し、9,512万円余の導入促進事業費を予算化し、平成22年度当初では1億6,785万円の予算が計上されております。ドクターヘリを導入しないという考え方を否定したわけであります。ドクターヘリの導入と防災ヘリとの連携の道を選択したわけであります。この選択が間違いではないと確信できるのか、保健福祉部長にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 北澤保健福祉部長。 ◎北澤 保健福祉部長 ドクターヘリは1月20日の運行開始以来、昨日までに26回出動しており、その多くが心疾患や脳卒中、事故などによる大けがなど、一刻を争う重篤、重症の事例でありまして、早期の治療開始による救命や後遺症の軽減に大きな効果があったと考えております。  また、山岳事故におきまして、消防防災ヘリが負傷者を救助した後、ドクターヘリが引き継ぎ、医師による応急処置後、病院に搬送したケース、事例もあり、消防防災ヘリが有する救出・救助の機能と、現場での医師による早期の治療開始というドクターヘリの機能がともに発揮されたものと考えております。  ドクターヘリを新たに導入し、機能が異なるヘリがそれぞれの役割を果たしながら的確な連携を行う現行の方式は、最善の選択であったと考えております。 ○渡辺渡 委員長 野田委員。 ◆野田尚吾 委員 再質問をさせていただきます。  防災ヘリは県の所有となっておりますが、点検や整備に時間と経費が相当かかると聞いています。  そこで、点検中の出動要請についてはどのように対処をしているのか、そのときのドクターヘリとの連携についての対策はあるのか。また、365日稼働できるよう、防災ヘリもドクターヘリと同様の契約形態をとる――ドクターヘリはリース契約ですよね――という可能性はないのか、県民生活部長にお伺いをいたします。 ○渡辺渡 委員長 荒川県民生活部長。 ◎荒川 県民生活部長 消防防災ヘリが点検整備のために運休した日数は、平成9年4月の運行開始以来、年度平均で67日、昨年度は75日となっております。点検整備期間中のため出動できない場合には、5県協定、すなわち本県、福島、茨城、群馬、埼玉と締結しております消防防災相互応援協定に基づく応援要請により、林野火災や救急救助活動に対処しているところであります。  また、ドクターヘリとの役割分担につきましては、救急活動や患者搬送等の業務ごとに相互の役割分担を定めて、各消防本部に通知するとともに、本年1月には山岳救助を想定した消防防災ヘリとドクターヘリとの訓練を行って連携体制の整備に努めておりますが、その成果が早速発揮されたことはただいま保健福祉部長の答弁にあったとおりでございます。  次に、消防防災ヘリのリースについてでありますが、消防防災ヘリはその業務上、隊員の空中からの降下や要救助者のつり上げ等の訓練を日常的に同一機体を用いて行うことによって機体になれておく必要があるといった事情から、全国的にリース方式の採用例はないと承知しておりますが、リース方式が採用されていないもう一つの理由としては、機体購入には国庫補助制度があるが、リース方式にはないというのも大きいのではないかと思っております。 ○渡辺渡 委員長 野田委員。 ◆野田尚吾 委員 要望させていただきます。  私は群馬県の前橋赤十字病院のドクターヘリ運行の実態についても調査させていただきました。その際、担当ドクターの熱心な説明に感銘を受けました。また、獨協医科大学病院の現地でも2度ほど調査をさせていただきました。ここでも何としても命は救いたいのだと、救える命は救いたいのだという熱い思いを担当ドクターから聞かされました。このような人たちがいてこそ初めて成り立つ事業であると改めて感じ取ったところですが、このような人たちの思い、そして県民の命を守るという行政としての使命、さらには議会での議論を踏まえ、これからもしっかりと運用をお願いしたいと思います。  次の質問に移ります。予算編成についてでありますが、地方交付税についてです。  今回の知事執行部の予算編成作業に際して、我々自由民主党議員会は政策要望、予算要求の取りまとめに大変例年に増して労力を費やしました。まず、県民の要望の取りまとめを11月から始め、現地に出向き、あるいは議会においでいただいて概括的な取りまとめを行いました。正月にかけては、未来開拓プログラムとの整合性の検討、プログラムにおける激変をどう緩和するかの検討、さらには3,000と言われましたが、我々は2,000程度のものを対象にして、個別具体の事項に対して各部局からの意見を聴取するのみならず、なぜそうなるのか、なぜそうせざるを得ないのかの激しいやりとりの中から一つ一つ積み上げた結果として自由民主党県連、自由民主党議員会の政策要望、予算要望として知事に提言、要望したところであります。  これらを十分検討した上での今議会における知事の補正予算、平成22年度当初予算の提案であると認識をしております。内容には不満、不十分な点もありますが、現下の県の財政状況及び未来開拓プログラムの実現ということ、さらには3カ月にも及ぶ知事執行部との激しいやりとりの結果であれば、今のところやむなしという心境にあります。  こうした中で、本会議の質疑質問で県民の皆様に疑義を持たれかねない問題が2点惹起されました。県民の皆さん、さらには報道機関の皆さんにも十分説明し、誤解のないようにしなければなりません。知事執行部としても、議会としても説明責任を果たさなければなりません。  第1は、国からの地方交付税が知事執行部において不当に流用されたとの疑いが持たれる発言がありました。あたかも使途を制限されている財源をそのとおりに予算化せず、恣意的に他の予算立てをしたとの印象を持たれる発言であります。この発言は、県民の皆さんに誤解を招くおそれがあるにとどまらず、県民益に反する行為があったと誤解されては困るわけであります。  まず、このような事実があったのか、なかったのか、知事にお伺いいたします。さらに、県の予算編成の仕組みを説明責任を果たす意味でも、須藤副知事にもわかりやすく説明をお願いしたいと思います。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 地方交付税は使途に制限のない地方固有の一般財源であり、各自治体で異なる事情やそれぞれの住民ニーズに応じて活用できるものであります。したがいまして、流用という概念自体が成り立たないものであると考えております。 ○渡辺渡 委員長 須藤副知事。 ◎須藤 副知事 予算編成の仕組みについてのお尋ねでございますが、まず財源の見積もりを見きわめなければなりません。この中で、県の財源には国庫補助金のように使途が限定される特定財源と、個人県民税あるいは法人関係税、さらには地方交付税のように使途が特定されない一般財源があるわけでございます。  特定財源については、その目的以外に流用すれば国の会計検査あるいは県の監査等により指摘を受け、国庫補助金であれば国への返還義務が生じることとなりますが、交付税等は国庫補助金と異なり、地方固有の一般財源ということで、各自治体の判断により活用するものでございます。  予算編成に当たりましては、これらの各財源を見積もり、現下の財源自体が非常に厳しいものですから、まず要求基準のようなものを設定し、各部から要求をとり、3,200を超える個別事業が出てまいりますが、これらについて精査をし、その精査の際に当然部局間で重複があるような事業の整理とか、あるいは部局間で連携をしなければいけない事項につきましてはそこで指示をするということもしておりますが、それらを精査して、さらには国の地方財政対策等々も見ながら予算の原案的なものを作成しております。その後、重要事項につきまして県議会の各会派にご説明し、要望をいただき、それを踏まえて知事査定を行い、最終的な予算を決定しているところでございます。  今後とも地方交付税につきましては、本県として必要な施策を実施するための貴重な財源として活用を図っていきたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 野田委員。
    ◆野田尚吾 委員 再質問をさせていただきます。  地方交付税を流用したとの発言は、地方自治に対する発言者の基本的な考え方を如実に物語っていることかなと思います。地方固有の一般財源である地方交付税を国の意思による、いや、時の政権与党の意のままに使うべき特定財源として一方的にとらえていると受けとめざるを得ないわけであります。地域主権の確立が1丁目1番地と言いながら、実のところは国の言うことを聞けという考えが明白であります。  私は、本県が国の制度や他県に先駆けて単独で行ってきた事業が栃木モデルとなり――県単などではそういう現象がありますね――国のスタンダードになり、新たな交付税措置がされたと理解をしておりますし、そこで県が改めて施策を総合的に判断することが重要と思います。経営管理部長はどのように考えるのか、お伺いをいたします。  さらに、実務の中心である財政課長は各部局との予算折衝で、交付税措置がされたから自動的に予算をつくるというような無体な、乱暴な要求を受け入れることがあるのかどうか、あわせてお伺いをいたします。 ○渡辺渡 委員長 鈴木経営管理部長。 ◎鈴木 経営管理部長 地方交付税につきましては、使途が制限されない地方固有の一般財源で、地域の実情に応じ最大限の活用を図るべきものと考えております。  例えば子供医療費ですとか、妊産婦医療費助成のように、県民にとって必要な施策については交付税の措置がなくても本県独自に実施をしてまいりました。今後とも地方交付税初め、限られた財源を有効に活用して県民ニーズに的確に対応してまいりたいと考えております。 ○渡辺渡 委員長 後藤財政課長。 ◎後藤 財政課長 予算編成に当たりましては、要求のあった事業が県民にとって必要か、また、どの水準で実施するのが適当かということを担当部局と議論をしております。したがいまして、交付税措置があることのみをもってしてそのとおりの予算とすることはございません。 ○渡辺渡 委員長 野田委員。 ◆野田尚吾 委員 要望させていただきます。  財政、財源に係る問題は非常に複雑ですよね。そこで、知事執行部にはぜひ今後とも、県民に対して日ごろからわかりやすい説明をお願いしておきたいと思います。  次の質問に入ります。  先ほどを第1点とすれば、第2点は、知事は県議会与党と談合したとの発言についてであります。  二元代表制の地方議会においては、与党・野党の概念は存在しないというのが定説であります。ただ、狭い地域の同一選挙人から知事・県議会議員が選出されているという現実から、この二元代表制があいまいになる可能性があるという指摘はあります。  そこで、全国議長会では政策立案能力の強化を初めとする監査機能の強化を図るなど、地方自治法における都道府県議会議員の身分についても法改正を目指して努力をしているところであります。  私は自由民主党議員会の政調会長であります。今般の政策要望・予算要望の取りまとめ現場における責任者という立場にあります。談合と指摘される一方の当事者でもあります。発言者は後ほど、広辞苑では「談合」とは「話し合い」と書いてあると釈明をしておりますが、前後の発言の趣旨から、この談合という言葉に特別な意味を持たせて使っているとしか考えられません。  もちろん議会は言論の府でありますから、自由で闊達な議論は当然保証されなくてはなりません。しかし、自由で闊達な議論は議会の品位、名誉、秩序を守ることを前提にしての自由であります。この問題については、自由民主党議員会、さらには予算編成過程の議論においてご協力をいただいた他会派の皆さんの名誉のためにも事実解明をしなければならないと思っております。  まず、発言者はどこでどのように談合があり、結果、予算編成にどのような影響をもたらしたのか、立証までいかなくても挙証責任があると思います。しかし、発言の中では触れられておりません。  そこで、談合と指摘された当事者のもう一方である知事に、談合と言われる事実があったのか、お伺いしておきます。  さらには、指揮者として談合を指示したのか、また談合する余地があったのかを須藤副知事にお伺いいたします。 ○渡辺渡 委員長 福田知事。 ◎福田 知事 私は今日まで、一部の会派、一部の県民とも談合したことは一度もございません。 ○渡辺渡 委員長 須藤副知事。 ◎須藤 副知事 予算編成に当たりましては、県議会各会派からのご要請に基づき、主な事業につきましてご説明をした上で要望書をちょうだいしております。その要望書に対しましては、県民ニーズへの的確な対応を図るという観点から、県民意見にかなうかどうかという観点から政策形成を図り、その結果を各会派に対し文書により回答させていただいております。したがいまして、談合するという余地はございませんし、したがいまして指示ということもないということでございます。 ○渡辺渡 委員長 野田委員。 ◆野田尚吾 委員 再質問をさせていただきます。  知事、副知事にも談合と言われるような指示もその余地もなかったということであります。鈴木経営管理部長や後藤財政課長にそのような事実があったのか、それぞれにお伺いをいたします。 ○渡辺渡 委員長 鈴木経営管理部長。 ◎鈴木 経営管理部長 そのような事実はございません。 ○渡辺渡 委員長 後藤財政課長。 ◎後藤 財政課長 そういった事実はございません。 ○渡辺渡 委員長 野田委員。 ◆野田尚吾 委員 答弁をいただきました。全く事実がないというわけであります。  私は政調会長就任の際に、「ことしは例年に増して厳しい年になる。団体、組織、個人からの要望もぜひ議論を尽くして、イエス・ノーを明確に答えなければならない。ノーの場合でも答えなければならない」と話しておきました。「政調上乗せどころか、政調はぎ取りという結果にもなるかもしれない」と政調会の諸君に覚悟をお願いいたしました。  今回の補正、当初予算の要望についても、合理的根拠を示して、妥当性、緊急性について納得のいく説明のものでない限り、協議の俎上に上げない、執行部についてももちろんきちんと説明を求めるとの基本的考え方を示してまいりました。今回の予算要望議論に当たり、このような覚悟で臨んだ私どもに、談合する意思もなければ、その事実もみじんもないことを申し上げておきたいと思います。  さらに実は、きのうでしたか、地元紙に驚くべき報道がありました。民主党の国会議員が「談合は政治用語だ」と。これはどうもわからないのです。私は理解がいかないのです。「懲罰するなら国会に招致しようとも思っていると語った」とありました。よもやこんなことを国会議員が言うはずがないということであります。私はそう信じていたので、下野、地元紙に対して「この事実がありやなしや、言葉は極めて捏造ではないのか」という話もしたところですが、「絶対そういうことはない。インタビューのときにテープをとっていたわけでありますから、このことは確実におっしゃっています」という話でありました。  私は、ここで懲罰について言及するつもりは毛頭ありません。憲法第92条以下で地方公共団体、地方議会について触れております。これに準拠して地方自治法で、憲法に定める地域的な統治団体として地方公共団体を法人とするということになっているのです。法人というのは、法律が人格を与えたものであります。ですから、侵すべからざる人格を持っているわけであります。  みずからの自治の権能において行う懲罰について、国会議員が国政調査権の権能を行使できるのかどうか。独立した人格の、しかも憲法を準拠法として地方自治法に規定されている法人に対して、そこが自己決定、自己責任、自立自主というところに基づいて決めたものについて、私は全くそういうものが及ぶとは考えられないのであります。このことは議会あるいは地方自治体――ここで言えば県ですね――このことにとって極めて重大な問題であると、私は非常に今の状況を心配しているわけであります。  懲罰については、違法性があれば司法が判断するのです。国会がそこに手を入れてくる話ではないのです。そういうことを考えますと、今回びっくりするような報道があり、このことについて大変驚愕をして、このことをお伝えして私のすべての質問を、若干早いのですが、終了したいと思います。ありがとうございました。 ○渡辺渡 委員長 以上で野田尚吾委員の質疑は終了いたしました。  これをもちまして、委員の総括質疑はすべて終了いたしました。  次に、部局別質疑について申し上げます。  部局別質疑は、所管常任委員会の調査をもってこれにかえることとしております。  つきまして、お手元に配付のとおり、私から議長を通じて所管常任委員長に調査依頼をしますので、ご了承を願います。  以上をもちまして、本日の日程は終了いたしました。  次回の委員会についてでありますが、3月9日火曜日午後2時から、平成21年度補正予算関係の付託議案である第41号議案から第51号議案までについて採決を行いますので、よろしくお願いをいたします。  これをもちまして、今回の委員会は散会いたします。                午後3時19分散会...